二週間にわたって川向こうで行われていたお祭りもまた、昨日で終わった。一度だけ友人とのぞいてみたのだが、そのときは、屋台をひやかし、焼魚を食べながらビールを飲み、観覧車に乗った。小さめの観覧車はスピードが速いだけでなく、何度もぐるぐると周る。途中から数えるのをやめてしまったが、少なくとも五周はしたはずだ。最後の一週は、てっぺんで数分静止するサービスもあり。この街を、はじめて上のほうから一望した。大聖堂を囲むようにして、いくつもの塔が立ち並ぶ。川をゆっくりと船が行く。もうすぐここを離れなければならないのが嘘のようだ。もう、色づいた木々を見ることも、クリスマス市でグリューワインを飲むこともできないのだ。こんなに離れがたくなるとは思わなかった。夕方、小雨。咲いたばかりの薔薇の花も濡れている。