日々雑感
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いつの間にか木の葉の色が変わっている。今日も寒い。大学の構内では、日なたに丸まった猫が何匹も固まっている。夏には涼しい場所を見つけていた猫が、暖かい場所を探すようになった。
夜には、近所で野良の仔猫に会う。真っ白い小さな猫だ。警戒して、一定の距離を越えては近寄ってこない。前に実家で飼っていた猫がはじめてやって来たとき、ちょうど同じくらいの大きさだった。ある雨の日にいきなり迷い込んできたその猫は、家に上がりこんだかと思うとまっすぐに父親のところへ行き、そのあぐらの中にすっぽりと座り込んだのだ。そして、小さなため息をつくと、眠り込んでしまった。犬派だった父親が猫派に転んだ瞬間。
寒い夜。人も猫も丸まって歩く。人の分だけ、足音が響く。
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