日々雑感
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帰り道。細い路地を抜けたところで、しゃぼん玉がひとつ、目の前に飛んできた。あたりを見回すが、近くでしゃぼん玉を吹いている人はいない。ひとつだけ、どこからかはぐれてやってきたのか。
小さい頃、ずいぶん熱心にしゃぼん玉をつくった。食器洗い用の洗剤を少し水にまぜて、ストローで吹くのだ。ひとりで、弟と二人で、あるいは近所の子たちと、何かというとしゃぼん玉をつくっては飽かず眺めた。風にのって飛んでいくもの。七色に光るもの。やがて、パチンとはじけて消えてしまうもの。
小学校にあがったばかりの頃、「みんなで詩をつくりましょう」という授業があって、自分はしゃぼん玉について書いた。たしか「しゃぼん玉に乗って、遠くまで行きたい」という内容だったはずだ。何を思ってしゃぼん玉を眺めていたのか、今はもうおぼえていないけれど、とにかくどこかへ行きたかったらしい。割れずに遠くまで届くしゃぼん玉がほしくて、あんなに真剣にストローを吹いていたのだろうか。
夕食後、友人からもらったお菓子を食べる。ケーキ屋を開いた友人の先輩がつくったというもの。白ゴマと全粒粉のクッキー、黒ゴマのクッキー、金時芋を使ったスイートポテト、カシューナッツと胡桃が入った焼菓子など、どれも味がしっかりしていて、食感もよくて、おいしい。「和菓子もいいけど、食べて幸せな感じになるのはバターとかクリームとか使ったやつだよね」と友人が言っていたが、同感。甘いものを食べて、しみじみと幸せな夜。
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