、まとめ
)
こあらの見た風景(要はブログ)
スタートしました。
2005年12月10日(土) |
宝塚観劇日記(月組) |
今回は、月組のトップお披露目公演でした。
○JAZZYな妖精たち
アイルランドの孤児院出身で、アメリカにわたった青年たちが、それぞれの道で悩み苦しむ様子をまとめた話。劇(全体で90分程度)の最初15分は、ひたすらアイルランドのダンスステップで踊っていた。プログラムには「アイルランドの雰囲気を出すため」に、この場面を入れた・・・とあるけど、僕には、「リバーダンスの演出家に演出をしてもらうために、主人公たちの設定をアイルランド出身にした」としか思えなかった。だって、ストーリーにアイルランドって直接関係ないんだもん・・・。
念のため申し上げますが、ダンス自体は素晴らしいですよ。すごく独特なステップ(頭の高さを変えることなく、右右左左・・・で前進するステップ)で飛び跳ねる姿は、見ていて壮観だし、よく「プロの舞台として観劇料を取れるレベル」にまで短期間で仕上げたな、と思います。
このダンスのおかげで時間が足りなくなったせいか、劇としてみると、ストーリーが全体として中途半端になってしまったかな?という印象を受けました。宝塚的な調和は保たれていたものの、「ここから一気に結末に持っていくのかな?」と思ったところで劇は終了。歌舞伎にありがちな「後は皆さんの想像にお任せします」ということかもしれないけど、中途半端感があることは否めません。僕の好みである、古典歌舞伎のような見得の場面(劇場全体が拍手で「わ〜っ」と盛り上がる場面)がなかったせいかもしれませんが。
でも、ケチョンケチョンに言われる作品ではないです。これは作品としてはマトモです。もう一回観てもいいかな。妖精役を考えると、玄人向きなのは否めませんが。
○REVUE OF DREAMS
好みです。
これだけは何度でも観たい・・・というより、これだけで十分。
舞台を覆うあまたの光、それに負けないド派手な衣装。歌あり踊りあり、ずっとワクワクさせてくれます。今回のレビューは群舞がとても多く、また曲調もアップテンポなものが多いので、すごく迫力があります。
その意味で、このレビューは典型的な宝塚のレビューともいえます。でも、水戸黄門の印籠を日本国民の皆が待ち構え、「この印籠が目に入らぬか」の言葉と共にカタルシスを得るように、このレビューには爽快感があります。
その中でも眉目を集めるのは、新トップあさこさん(瀬奈じゅん)の男らしさ、かっこよさではないでしょうか。夢の世界にいる、現実には絶対ありえない理想的な男がそこにはいます。もともと、男前なジェンヌではありましたが、その魅力を十分引き出しています。
最近、私が観たレビューにハズレはないのですが、これはその中でも、「DVDを買ってでもいいから何度でも見たい」レビューですね、うん。