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≫2006年03月08日(水)≫初お揃い |
彼は左耳のピアスを買っては何度もなくす。 そのたび 「またなくしちゃったよ、買わなきゃ」 とあたしに言う。 おそろいのピアスなんて いいなぁ ってすごく思っていたけど そんなことは言えるはずもなく ドライブの前に立ち寄ったスタジオは 今日もお香の香りがして 相変わらず暖房が効きすぎで暑い。 彫師のお姉さんがドアの開く音に気づいて顔を出した あたしを覚えていてくれたお姉さんは あ、こんにちわ と言ってくれた。 こんにちわ。 偽彼女です。 今日はピアスを買いに来ました。 彼はバーベルをちっちゃくしたようなピアスを選んだ。 ふぅん それかっこいいねと言うあたしに彼は 樹里さんも買えば?と言う。 え お姉さんは仕事中だったらしく すぐに引っ込んでしまったので 彼が選んだピアスを別のお兄さんが滅菌しに行った。 彼がタトゥのサンプルファイルをぺらぺらめくっている横に ちょこんと座ったあたしは 出されたコーヒーを飲みながら 頭の中がフワフワしていた。 妙にピアス購入をすすめる彼 あんまりこういうの聞いたことない なぁに 買わないの? どうしようかなぁ 大好きなムラサキのがあったじゃん お兄さんせっかく今滅菌してくれてるのに いっぺんに言えよ!って言われないかなぁ なんだそりゃ?!言われないってそんなこと(笑) ほらお兄さん来ちゃったよ 早くムラサキ持っておいで あのぅ、おそろいになっちゃうんですけど… そんなことくらいわかるよね? いいのかしら。 彼にせかされて いっぺんに言わずにごめんなさい、と謝って あたしは彼と同じピアスのムラサキをお兄さんに渡した。 うーん 次は指に入れよう リングみたくさぁ カッチョイイと思わん? なんだか上機嫌なんだから。 彼もあたしも 本音はものすごい厚いベールに包んで ああ、なんてじれったい。 |
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