chipperの日記

2019年10月19日(土) 天国でも地獄でも


桐野夏生「OUT」を読み終わりました。

今まで桐野作品を読んだことがなかった自分でも
名前くらいは知っている作品です。
その昔、フジテレビでドラマをやってましたね。
凄惨な場面が結構出てくるけど、どうやって映像化したのかな。

当時は、なんだか怖そう…
と思って、見なかったけど、今なら俄然見てみたいです。
どうしてもショッキングなところばかり目がいってしまうけれど、
この作品の面白さは、人間の心にあると思います。

どうして、平凡な主婦たちが死体を解体したのか。
仲間と結託して、それを仕事として請け負うことになったのか。
いくらお金の為、生活の為であっても普通なら出来ないことだけど、
登場人物たちの日常生活は余りにもどん詰まりです。

そこから脱出する為、犯罪に手を染め、破滅へと向かって行く様に
暗澹たる気持ちになりつつも、ページを繰る手が止まりませんでした。
「グロテスク」に続き、今作も面白かったです。


 < 過去  INDEX  未来 >


chipper