桐野夏生「OUT」を読み終わりました。
今まで桐野作品を読んだことがなかった自分でも 名前くらいは知っている作品です。 その昔、フジテレビでドラマをやってましたね。 凄惨な場面が結構出てくるけど、どうやって映像化したのかな。
当時は、なんだか怖そう… と思って、見なかったけど、今なら俄然見てみたいです。 どうしてもショッキングなところばかり目がいってしまうけれど、 この作品の面白さは、人間の心にあると思います。
どうして、平凡な主婦たちが死体を解体したのか。 仲間と結託して、それを仕事として請け負うことになったのか。 いくらお金の為、生活の為であっても普通なら出来ないことだけど、 登場人物たちの日常生活は余りにもどん詰まりです。
そこから脱出する為、犯罪に手を染め、破滅へと向かって行く様に 暗澹たる気持ちになりつつも、ページを繰る手が止まりませんでした。 「グロテスク」に続き、今作も面白かったです。
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