2016年12月26日(月) |
絶望はない。希望はある。 |
伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」読了。
五股をかけていた星野一彦がとある事情から <あのバス>に乗せられて、遠くへ連れて行かれることになり、 今まで付き合っていた女性に別れを告げる、というお話。 つまり、別れ話×五人分です。
それだけ聞くと、読んでいて飽きそうとかネタ切れしそう、 と思いますが、そこは主人公・星野の天然キャラもさることながら、 相棒・繭美(身長190cm、200kg)の傍若無人なぶっ飛んだ キャラクターもあってか、全く飽きないし、ネタ切れなんて杞憂でした。
最初は監視役として、星野の別れ話をチャカしていた繭美が 最終話で<あのバス>に連れていかれる星野を懸命に 追いかけるシーンで終わるのが、何とも秀逸だし、胸熱な終わり方。 絶対、感情移入されないヒロインにいつの間にか感情移入しちゃってる!
そういうこともあってか、不思議な読了感が残ります。 あの後、星野はどうなったんだろう?とか 繭美は追いつけたのかな?とか星野を助け出せたかな?とか。 心の中でいつまでも星野と繭美がいるような、そんな感じ。
|