言葉的遊戯
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2002年08月12日(月) |
紳士なガソリンスタンド |
僕らの営業車が給油できるスタンドって言うのはある程度決まっていて、 だいたい、給油するのは場所決めちゃってるんだけど、 今日はちょっといつもと違うところで入れてみた。
このスタンド、かなり小さくてレギュラーもハイオクも軽油も 全部給油口って言うの?、オイル入れるところね、 それぞれ1コずつしかない、そんな小さなガソリンスタンド。 まるで田舎にポツリとありそうな感じのガソリンスタンド。 そんなガソリンスタンドに僕は立ち寄ったのだった。
車を寄せると、詰め所みたいなところから、 おじさんと若い兄ちゃんがでてくる。 「こんにちは」 「ああ、どうも、こんにちは。レギュラーで」 「はい、レギュラー」 やたらと背筋の伸びたおじさん、このおじさん、すごく丁寧に窓を拭く。 なんていうの?、僕らが、営業車が、御用達にするところって、 何でか知らないけど、ものすごく乱雑に窓を拭くところが多く、 「そんなんだったら、拭かなくていいよ」っていうくらいの時もある。 でもここは違っていたのだ。 おじさんは姿勢がいいままに、窓を拭く。 それもなんだか、少し拭くスピードがやや遅めで、じっくりしっかり・・・。 その間、僕はエアコンの利かなくなった車内で「ふ〜」って感じになってしまう。
じっくり拭いたあとで、おじさんは領収書を持ってきた。 「サインを・・・」 「はい」といい、僕はサインをする。 外はちょうどお昼の3時頃で、時間で言うと、 何もかもがゆっくるとしていそうな、そんな時間だね。
おじさんは僕の控えを渡す間際に 「いい曲流れてるよね」っていった。 ちょうどそのころ、僕の車内には、勝手に改造してつけたCDプレイヤーから、 トニー・オーランド&トーンの、「幸せの黄色いリボン」が流れていたのだ。 この曲、最近で言うと、2年くらい前にキリンビールの「一番搾り」の コマーシャルでバックミュージックとして、使われていたのね。
「最近、好きなんですよ」 「わしが若い頃、聞いたよ」 「リバイバルですね」 「気をつけてな」 「どーも!」
そういって僕はその場を離れた。 おじさんはスタンドの端で、やはり背筋をまっすぐと伸ばして、僕を見送っていた。 一瞬だけだが、時間を止めて違う次元に行けた、そんな気分がした。 また、このスタンドに来てみよう。 また「幸せの黄色いリボン」流しながら・・・。 今になって思えば、おじさん、拭くスピードがゆっくりだったのは、 音楽に合わせてたから? 一瞬の安らぎをもらえた気がしましたね。
★昔の僕はこんな日々を送っておりました!★
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