ON LOTUS
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電車通学をしている小学一年生くらいの男の子ふたりがホームで、しゃがみ込んで目線を合わせた駅員さんの話を聞いている。 なにかあったのかなと思ったら、ひとりの男の子は、靴を片方履いておらず、折り畳んだ紙の上に靴下を履いた足を乗せている。 ホームから落としてしまったのかと思ったら、どうやら発車した電車の中に落としてきたらしい。 探しているけれど見つからないようだ。 駅員のお兄さんは、探索状況を尋ねるためか、ちょっと待っててね。と、ふたりをその場に残して中座。 そうしてしばらく待っているうちに、靴が片方の男の子がくしゃみをした。 その拍子に鼻水がどば。 一緒にいたもう一人の男の子は爆笑。鼻水がどばの男の子も苦笑い。 君たちティッシュは持っていないのか。 ……いないのか。
他に彼らの動向を見守っている人もいないので、どこだったか…遠くの地へ行った時にもらった、教習所のティッシュ(未開封の新品)をあげた。ありがとうと素直に一言、どういたしまして。 しばらくして、駅員さんが戻ってきた。 見つからないんだよ。と、困った様子。この駅員さんもいい人だ…。 靴ないと困るよねえ……うん、困るよなあ。 などと呟いている。最初の方は男の子に、後の方は自分の身の上に置きかえて。 そうこうしているうちに、待っていた電車がホームに入ってきた。 電車に乗り込んでふりかえると、靴が片方の男の子が駅員さんにランドセルを背負ったまま背負われて、移動していく後ろ姿が見えた。 もう一人の男の子も一緒に歩いて行く。 靴が見つかるといいねえと思いながら仕事へ。小さいけれど立派な革靴。 靴が見つかったら、やっぱり逆方向(戻って来る方)の電車の車掌さんあたりにリレーしてくるのでしょうかね。
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