気が付くと、オハグロベラの様子が変です。
いつもはギラギラしていかにも「発情期」だったのですが、 端のほうで大人しくしていました。
良く見ると、表面が少し荒れています。 ヒレもかじられている様子。
・・・誰の仕業だろう。
ちょっと水槽から離れて見ていると、状況がわかってきました。 犯人は、大きくなってきたオキナメジナです。
これはヤバそうだな、と思い、すぐにメジナを隔離しました。
隔離といっても、キンギョ掬いのように簡単ではなく、 ものすごいスピードで逃げ回るわけですから、バトルです。
水槽の中の飾り付けを全て取り出し、 仕切り板を入れて、狭いエリアに追い込んで捕獲します。
メジナと、大きいオヤビッチャを、ろ過層にとりあえず入れました。 でも、オハグロベラのケガは結構ひどいようです。
今朝になり、オハグロベラはふらふらと泳ぎ回るようになりました。 でも、泳いでいるというより、水流に流されてるといった感じです。 とても、心配です。
うちは磯の魚を飼育しているせいか、大きくなると気性が荒くなります。 その日は、いつも突然です。
おちびさんだと思って、かわいがっていたこが、 ある日突然、強暴な性格に豹変します。 その境目がなんなのか、いつも不思議に思います。
ついこないだまで、メジナよりオハグロの方が断然威張っていたんですから。
ところで、家に水槽(特に海水魚)があるのは、癒されるね、と良く言われます。
私は正直、あまりそうは思いません。 この90cmの世界は、そんなに甘いものではなく、 自然の厳しさや、海の偉大さを見せ付けられる、社会勉強の場だと感じます。
例えば、同じ種類の魚を数匹入れると、よくケンカをします。 その種が残り1匹になると、長生きするのです。 それは、丈夫な種を残すための、本能なのだろうと思います。
人間だったら、どうでしょうか。 「弱者は守る」 あたりまえのことですが、自然界ではそんな甘い考えは通用しないのでしょう。 生きることの厳しさを、水槽の中で色々学びます。
でもその中でも、美しく、かわいらしい生き物たちを見て、 長生きさせて、なついてほしいと思うわけです。
そして、水や、エサや、照明や、殺菌などにありとあらゆる研究をし、 色々な壁にぶち当たるごとに、 海の偉大さを考えさせられるのであります。
水槽がある生活って、日々結構心配事だらけなんですよ。 ま、仕事を忘れる瞬間という意味では、癒されてるのかもしれませんけどね。
海水魚は、ホントに難しいのです。
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