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| 2002年10月20日(日) |
湯谷温泉というところにいく |
湯谷温泉というところにいってきた。 愛知県と長野県の県境あたりにあって、場所的には結構近場の温泉。 JR東海道線で豊橋というところまで行き、そこでJR飯田線に乗りかえる。 鈍行列車でもいけるのだけど、コドモの強硬な要望をききいれて特急にのることになった。ワイドビュー伊那。 自宅を出て約2時間弱ののち、湯谷温泉に到着した。 空はあいにくの曇り空で、少し肌寒いくらい。 電車を降りて空気を吸い込むと、山の匂いがした。 木の匂い。川の水の匂い。キャンプの朝の匂い。
旅館に入れるのは3時からなので、しばらく辺りを散策する。 雰囲気的にはかなり鄙びた温泉街といった感じ。 土曜日だというのに人の数もまばらだった。
宇連川(板敷川だったかな?)という川が流れていて、その両岸にいくつかの旅館が建っている。川のそばまで降りていくと、ささやきの小道という案内板があったので歩いてみた。どんな理由からささやきの小道という名前がつけられたのかわからないけれど、とても若い恋人たちがあまいささやきを交わしながら歩くといった道には見えなかった。川の音がすごく大きく響いている(大小いくつかの滝がある)ので大きな声をださないと聞こえないし、道自体きちんと整備されてないのですごく歩きにくい。にもかかわらず、結構楽しみながら歩いた。昔、こういう山道をよく歩いたっけ。 そんなことを思い出しながらしばらく歩いた。
そうこうしているうちに3時近くになったので、予約している旅館へ向かった。 その旅館は、泊り客が自ら宿泊代金を決めて支払うという、かなり変った旅館で、温泉街の中では結構昔から建っている老舗旅館。本当はもっと気軽に泊まれるところが良かったのだけど、ほかに空きがなかったので結局そこになった。 料金を自分で決めてくれといわれても。…うーむ。何だか悩みそうな感じ。 外見は普通の旅館。中は和風建築の良さを取り入れた作りになっていて、こじんまりとした良い空間になっている。 川の音をまじかで聞きながら、旅館の人がたててくれたお抹茶を頂いた。コドモは眉をひそめて、にがい・・と一言。仲居さんが栗入りの落雁をだしてくれたので、一緒に頂く。苦味の中に素朴な甘味がひろがって、とても美味しかった。
仲居さんに連れられて部屋に入る。 5階にある部屋だった。目の前は山、眼下には川。 水音がたえまなくきこえる。 窓を開け放って外を眺めていたら、鳶の鳴く声がきこえてきた。 空を眺めるとかなりの数の鳶が上空を飛んでいる。 気流に乗って気持良さそうに(と勝手に想像する)飛んでいた。
部屋に入ってすぐ、連れ合いとコドモはお風呂にいくといってでかけていった。 かーさんと一緒にはいろうよ。とコドモにいったら顔を赤くしながら、 「一緒にはいれるわけないでしょっ!!」とおこられた。 ただの冗談なのに・・。 一抹の寂しさを覚えながら、一人で岡本太郎の「今日の芸術」を読む。 (話しはずれるけど)はっきりいってこの本はすごいと思う。何十年も前(正確に言うと・・えっと48年前)に書かれたとはとても思えないくらい示唆に富んでいる。 しばし文章に没頭した。
しばらくしてから連れ合いとコドモがにぎやかに帰ってくる。 露天風呂は目の前が川になっていて、すごく面白いのだそう。 岩で囲んだお風呂とか、総檜のお風呂とかいろいろあって面白かったとのこと。 夕食までまだ時間があったので、わたしもお風呂に入ることにした。 地下2階まで降りていくと露天風呂の入り口が表示してあった。 本当に川のすぐそばにあって、すごく眺めが良い。 川の流れる音や鳶の鳴く声を聴きながら、のんびりと浸かった。
とにかく、いつもの日常を忘れて思いっきりくつろぐのが目的だったので、 本を読んだり、ぼんやりしたり、景色を眺めたり、気まぐれにお風呂に入ったり、と何も考えずにリラックスした。
夕食は山のものを中心にした献立。あまごの塩焼きとか京芋の田楽とか、鴨肉を使った豆乳鍋などなど。とてもおいしかった。
夜は、川音を聞いてるうちにいつのまにか寝てしまった。ぐっすりと眠った。
次の日、コドモは6時前に目を覚ましたらしく一人でばたばたしていた。 ねえ、カーテンあけてもいい?・・ねえ、冷蔵庫のオレンジジュース飲んでもいい?・・ ねえねえ、朝風呂いってきてもいい?ねえねえかあさん、川の水っていくら流れてもなくならないねえ・・などなど。おかげで早めに目が覚めてしまった。 天気は相変わらず曇り空。でも結構こういう天気が好きだったりするので気にならない。 早めの朝ご飯を食べてから少し川ベリを散歩した。朝もやみたいに薄く霧がかかっていて 空気は少し冷たかったが、気持良い朝だった。
旅館に戻って、宿泊料金をどうするか話し合う。結局相場くらいの値段で落ちついた。 10時に旅館をでて、しばらく辺りを散策してからお昼ご飯を食べ、早めの電車に乗った。だんだん人家が増えてきて、山並みが街並みに変っていくのを、車窓からぼんやり眺める。 「山が見えなくなったね」とコドモが少し物足りなさそうに言う。 「そうだね」と相槌を打つ。 あっという間の週末だった。
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