Opportunity knocks
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2002年04月18日(木) 読書熱、あがる

ユリイカという雑誌を時々買って読んだりしているのだけど、
本屋でぱらぱらと流し読みしていた中に、P・オースターのロング・インタビューが掲載されていたので、つい買ってしまった。
因みにこの雑誌は雑誌のくせに、1300円もするので、よっぽど読みたい特集が無い限り買ったりしない。(大抵、暇な日を見つけて図書館で読んでいる)

今月号は「メルヴィルから始まるアメリカ文学航海誌」という特集がメインなので、オースターのインタビューもページにして、7、8ページくらいのものなのだけど、それでもやはり1300円払っても全然惜しくないような内容だった。

今までオースターの小説を読んで感じていたことや、疑問に思っていたことなどがより具体的な言葉で書かれていて、ふーん、とか、へえ、とか、なるほどね・・とか、そうなんだ、なんてぶつぶつ言いながらしきりに納得しながら読んだ。
その中であたらしく発見した事は、オースターがホーソーンにかなり影響を受けたということと、ユダヤ系の人間として自分がマイノリティであるということをオースター自身が強く意識しているということ。
何をいまさら、なんて声が聞こえてきそうだけど、あらためてそういうことを知って、また本の読み方、感じ方も違ってくるのかな、とすこし思った。
ホーソーンは「緋文字」を書いた作家くらいの認識しかなかったのだけど、
これを機に、ちょっと手を伸ばしてみようかなとおもっている。
(いつになるのかはちょっとわからないのだけど・・)

インタビューの中には新作(「ティンブクトゥ」)のことも多く書かれていた。
1999年に全米で出版された、ということなのでもうそろそろ翻訳が出る頃かもしれない。犬が主人公の話らしい。
ちょっとインタビューの中のオースターの言葉から抜粋。

「この小説でめざしたことは、複雑なストーリーではなくむしろある種の奇蹟であり、詩的な言葉のほとばしりなんだ」
「今までとは違った意図のもと、新しい方向へ向かった作品なんだよ。」

どうですか? 読みたくなったでしょう。ふふふ。(何がふふふなんだか)
インタビュアーいわく、今までのような不条理な冷たさとは打って変わって感傷的な暖かさをもった作品となっている、のだそうだ。

今月号のユリイカの中にはほかにもまだまだ興味のひかれる特集がいっぱいあった。メルヴィルから始まるアメリカ文学航海誌もそうだし、あとリチャード・パワーズのインタビュー特集もあった。それに中原中也賞を受賞した日和聡子という人の受賞作品である、「びるま」という詩集にもかなりひかれた。
私家版とあったので、自費出版という形で作った本だと思うのだけど、もっと読んでみたいと思った。受賞をきっかけに大きな書店で手に入れることができるかもしれないので、もし見かけたら買おうと思っている。

読書欲が急にたかまってきた今日この頃。
もうそろそろ、つぎの科目のレポートを書かないといけないのだけど
なかば頭の隅に追いやられている状態。
ほんとに1日が36時間くらいあればいいのにね。





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