TOI,TOI,TOI!


2006年05月02日(火) 音楽と人

昨日は早朝起床、マインツの教会でバロック楽器でミサで弾き、フランクフルトに戻ってワーグナーの「パージファル」の公演。17時から22時半まで、5時間半。
今日の夜は、プッチーニの「トスカ」を弾いてきた。

今日思ったこと:昨日と今日ではまるで違うオケのよう!

同じオケなのに指揮者が違うのと作曲者が違うのとで、私達演奏側はこんなに大きな影響を受け、こんなに変わっちゃうもんなんだなと。どちらかが悪かったという意味ではなく、単純に違うと言いたいだけ。

音楽にまつわるいろんな立場の人々、演奏者がいて指揮者がいて作曲者がいて聴衆がいて・・・。
『人』はそもそも複数存在するもんなんだから、お互いの存在を尊重することを忘れてはいけない。作曲者も生きた時代が違うだけで一人の人間だし、聴衆はジャガイモではない。

すべての人同士の関係のバランスがぴったり合うとき、その空間に皆の『音楽を愛する気持ち』だけが集まり結晶となる。今日のトスカのように。

今日の指揮者は、前のシーズンで振った人と違うらしく、オケには不評だが、私は前を知らないので、結構いいなと思った。なんかね、ここぞと言う時に野球のフルスイングみたいに横にブンって振るの。ビンタが飛んでくるような感じ。これが「ヘン」と言われる所以だろうなと分ったけど、別にいいじゃんと思った。プッチーニの音楽にどっぷりハマって幸せそうないい顔をしていたので、こっちも気分が良かった。


  
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