TOI,TOI,TOI!
メズ−先生は、とにかく優しい、あったかい人なのだ。
そして彼は、とんでもなく頭のいい人でもある。 彼はもちろんハンガリー人だが、英、独、そして仏語もペラペラ。いったい何ヶ国語話せるのか、と思う。 歴史のこと、ハンガリーという国のこと、たくさん私たちに話してくれた。車で移動しながら、いろんな事を教えてくれた。
バルトークカルテットのレッスンを受けることになったいきさつ等は、2001年7月10日の日記を参照してください。
レッスンの内容は本当に尊いものだった。 バルトークはもちろん、モーツァルト、ベートーベン3曲それぞれ最高に良いレッスンだった。 1回のレッスンは4〜5時間で、休憩をまったくしなかった日もあった。
バルトーク記念館にも連れてってくれた。 バルトークが住んでいた家である。 バルトークという人の人柄がうかがえた。手紙の字がとてもきれいだったのが印象的。サインもすごく、きれい。彼のペンなどの道具を見ると、とっても几帳面な性格だったこともわかる。 バルトークという人は、顔もとても素敵だ。人柄がにじみ出ていると思う。私が想像する彼の人柄とは、無駄に興奮することがなく、話し方も、早口ではなく静かに話す。そして、ものすごく頭が良い人だったことは、もちろん明らかだ。
そして、今書いたことはそのままメズ−先生にもあてはまるような気がする。
私もいつまでも「元気が取り柄です」なんていってる年じゃないし、あんな素敵な大人になれたら、と思った。
メズ−先生は3人の息子のパパでもあるんだけど、特に1番上の22歳の息子はチェリストで、父親を大尊敬している。彼の部屋には、バルト−クカルテットのポスターとか、若い時の自分の父親の写真とかが、いっぱい。 日本公演のポスターを見てたら、「この写真とおんなじなんだ」と言って、バルトークカルテットのバルト−ク全集のCDを出してきた。 「あっ!それは!」 とCDに飛びつく私たち。彼は、そのあと私たちがレッスンを受けている間に、あっという間に全曲分のコピーを作ってくれた。
レッスン前に奥さんの手料理をご馳走になった。ハンガリー料理、牛肉のシチューだった。おいしかった。おかわりした。息子達は、普段からいつもママのお手伝いをしているのは、すぐに分かった。てきぱきと良く動いて、手際が良くて。 なんて素敵な家族だろうか。うらやましい。
夜遅くまでレッスンしてもらったその日、先生はそのまま車でドナウ川を案内してくれた。ブダ城、くさり橋、教会などがライトアップされていて、めちゃくちゃきれいだった。ライトアップされて夜空にふわっと浮かび上がっているのが、なんとも言えず美しいのだ。
1日だけオフの日があったので、その日は、午前中だけプロ−ベして、あとは観光した。夜はドナウ川のクルーザーに乗った。昼間もちょっと見たが、夜見たほうが、周りの建物が何も見えないのでロマンチック。
ハルギタイさんのレッスンも1度だけ受けることが出来た。お忙しい中、長時間に渡って、1回のレッスンで2曲見てくださった。 バルトークカルテットの中で彼だけが若く、まだ40代ではないかと思う。メズ-先生とはまた違った意味でも、ほんとによかった、彼のレッスンは。あたりまえのことかもしれないけど、同じカルテットだからって同じ意見だってわけではないというのも、よく分かった。
いつもおんなじ演奏しなくたっていいんだし、プロ-ベでも昨日とは違う意見になったっていいと思う。とNが言ってたのが頭にしっかり残っている。
8月まで、残された時間はそんなに多くない。このままいい精神状態で、準備していこうと思っている。
頑張るぞーーー!!!
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