崇敬 #2 - 2002年08月03日(土) まばたきもせず、息も詰めて。 読んだだけで浄化されそうな文章と 文全体の醸し出す雰囲気に心臓が止まりそうで。 そんな作家がいます。 阪神淡路大震災の後 本屋が再開して真っ先に買った本は この人の「花迷宮」と花村萬月「イグナシオ」。 「花迷宮」の表紙は非常に美しく 瓦礫と埃、破壊の続く灰色の日々に 感情を思い出せ、と語りかけてくるような、 息吹を取り戻させる色彩でした。 以後、給料日に一冊ずつハードカバーを買い揃え、 今も新刊を待つ日々が続いています。 久世光彦さん。 この方の文章の色気は世界一だと思います。 〈色男っぷりカッコイー! 経歴で父と同い年と知って驚きッス!(要約)〉と 「ニホンゴキトク」読者カードに書いたら 『今はもう全然ですよ。はっはっは!(要約)』と 美麗な文字でお返事がきてびびりました。 万年筆一本でサラリと口説く昭和10年生まれ、恐るべし。 -
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