シネマ*マシンガン
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2006年07月10日(月) |
【バッド・エデュケーション】欲望という名の機関車 |
※ネタバレ注意
ペドロ・アルモバドル監督の半自伝的作品とうことで、いったいどこまでが自伝なのか。 まあそれはいいとして、作品が途中からえらくトーンを変化させていくところは、特徴的というより今回のは「話が走った」結果なんじゃないかなーと思いました。
伏線があるとはいえ、アンヘルの話が本格化するあたりから先は、最初は全然予想もつかないし、話の作りとしては反則?と思わなくもない部分もあります。展開が変化するんじゃなくて、まったく別な話になっちゃってるといってもいいと思う。この挿話を遂げるためには、そりゃ劇中劇も必要さね、とつい冷静に思ってしまう。
その劇中劇が救いでもあるわけなんですが…複雑な構成のおかげで、どこまでが真実でどこからが劇中劇のストーリーなのか、判然としない部分も残るのです。私はそれでいいと思った。見る人にとってはそれが不満になるだろうと思いましたが。
登場人物はそれぞれ愛なり欲望なりを遂げようと機関車なみの暴走を続けるわけですが、その能動的というにはあまりに走り過ぎな態度に見ている側はびびるといえばビビる。監督は暴走する人が好きなのか?あと「わかりあえない」シチュエーションが好きなのか? というか、本来人と人はわかりあえないものだと思っているのかなあ。とか思った。ディスコミュニケーションがテーマの作品を作り続けている監督と言うイメージがあります。
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