水野の図書室
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2016年03月09日(水) 上田早夕里『楽園(パラディスス)』

「SFJACK」(角川文庫)は、11名の作家によるSF短編集です。
11作品の中でも、『楽園(パラディスス)』は読みやすく、せつなさを残しました。

メモリアル・アバター。それは、家族や友人を失った人間が悲しみを癒すために使う精神ケア・アプリ。
亡くなった人がSNSの日記やメールなどに残したライフログから対話型の仮想人格を作り出す、というもの。
メモリアル・アバターを使えば、もう会えない人と話ができる。
近いうちに、実現するのではと思う。
けれど、アバター相手では、虚しくないかなとも思う。
本当の気持ちって、他人には話さないのではないかしら。
日記に書くのは、読まれることを意識しての文章だと思うのです。

死んでしまった人と思い出話はできても、一緒に新しい思い出を作ることはできないんですよね。


水野はるか |MAIL
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