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 『金剛山歌劇団 千葉公演』

金剛山歌劇団:
 在日朝鮮人(現在は日本で生まれ育った3,4世が主)で構成されている朝鮮民主主義人民共和国唯一の海外総合芸術団体。1955年に創立され今年で47周年を迎えた。創立以来約6,700回の公演を行い、約1,400万人を超える観客を動員。毎年春〜半年間程は日本各地を回り、公演を行っている。


TVでは連日北朝鮮による拉致問題が取り上げられている中、金剛山歌劇団の公演に出かけた。

四季ファンなら周知の通り、私のご贔屓:キムスンラさんはこの金剛山歌劇団に在籍していた。朝鮮人のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれ、生まれも育ちも日本のキムさん・・・高校卒業後から1996年11月に四季のオーディションを受ける前までの13年間金剛山歌劇団に所属し、日本各地をはじめ中国や朝鮮での舞台に出演なさっていた。雑誌や新聞記事などからすると、キムさんは歌劇団で主役を張るほどのトップスターだったらしい。在団中にはCDも出している。

大好きなキムさんが13年間という長い年月を過ごした金剛山歌劇団を、私は是非一度観てみたいと思っていたのだ。

拉致問題に影響される日朝関係の悪化で、各地の朝鮮学校に嫌がらせ電話等が相次いでいると言う。歌劇団の公演も場所によっては厳戒態勢で臨んだところもあるようだが、今日千葉市民会館で行われたツアーの最終公演は、そんな物々しい雰囲気もなくホッとする。

○ロビーにて○
 チマチョゴリを着た女性や、時々耳に入る朝鮮語がちょっと独特な雰囲気を醸し出している。ロビーの一角に販売コーナーがあり、CD・カセット・ビデオ、民俗人形などが売られていた。キムさんと同じ*元歌劇団*の方のCDがあったので、「キムさんのCDは?」と探すも見つからない。やはり以前問合せ先に言われたように「在庫なし」なのか、それともやはりいろいろ問題があるのか・・・う〜ん。販売員は気のいいお兄さんだったから聞けばいいのだろうが、小心者の私にはそういうことは出来ない。代わりに飛ぶように売れていたポテトチップスのようにパッケージされている“ピョンヤンキムチ”と、可愛らしいチマチョゴリ人形を購入。

○客席にて○
 私は前から11列目の下手側に座る。約1,000席ある客席は、開演前には立見が出るほどの盛況ぶりだった。無料だからというのもあるかもしれないけれど。客席前にはオケピもあり。

○第1部○
 舞踊「パラの舞」
  10名の女性がミニシンバルを持って華やかに舞い踊る。これぞ朝鮮の伝統舞踊!
 チャンセナプ独奏「渓谷」「風笛」
  オーボエのような楽器。奏者の男性:チェさんはめちゃ上手! しかもちょい素敵。
 女声独唱「リムジン江」「サウンドオブミュージック」
  四季歌手も真っ青なソプラノの魅惑の歌声。しみじみ聴き入ってしまう。
 舞踊「馳せる想い」
  女性ダンサー10名の妖艶な舞。衣装は鶴のような鳥をイメージ。
 女声重唱「幼き日に」「夜空ノムコウ」
  6名の美人ソプラノ歌手。笑顔がいい。「幼き日に」は素敵な歌で感動してしまう。
 打楽器ユニット「チャンゴとドラム」
  若いお兄さん7名によるパワフルな連打。めちゃめちゃ格好いい(*^^*) 

○第2部○
 舞踊「うるわしき山河」
  10名の女性による両手に扇を持った舞。動きの緻密さに感動。ひたすら綺麗。
 混声2重唱「愛の歌」
  『春香伝』をモチーフにしたラブソング。男女二人で歌い、途中に台詞も入る。
 独舞「荒波を越えて」
  パントマイム的な動きの舞。舞手の女性は“功勲俳優”の肩書きを持つ凄い方。
 舞踊「朝鮮将棋の舞」
  将棋をさす様子を舞にして二人で踊る。寸劇のようにコミカルで面白い。
 混声重唱「アリランメドレー」
  男女各3名の歌手による4曲程のメドレー。少し年配の男性も登場。
 民俗舞踊「農楽舞」
  大道芸のようで明るく楽しい。四季の蔡さんばりの跳躍・回転の出来る男性発見!

○カーテンコール○
 出演者が全員舞台に登場し「われらはひとつ」という統一を願う歌を手拍子つきで歌う。数えたところ本日の出演者は声楽・舞踊・打楽器メンバーが約30名、演奏を担当したオケメンバーが25名ほどだった。


文字で表しただけでは上手く伝わらないけれど、とにかく「レベルが高く」て「見ていて楽しく綺麗」で「民俗衣装も華やか」で、更には「感動出来る」約1時間45分の素晴らしい舞台だった。歌はほとんどが朝鮮語で歌われるのだが、ちゃんとスクリーンに字幕が映し出されるので意味も汲み取ることが出来る。
一部“○○大将軍”の表示とか“○○の温かいお心遣いにより・・・”等の北朝鮮らしい表現にはちょっと引いたけど(^^; それさえ気にしなければ本当に素敵ないい舞台だった。
今日の内容は“音楽の祭典”、四季で言えば“SONG&DANCE”ショー的な舞台だったけれど、キムさんの記事にもあった通りミュージカル的な作品の上演もあるのだろう。次回はそれを是非観てみたいと思う。

北朝鮮関係と聞くと「ちょっと・・・」と尻込みしてしまうかもしれないですが、機会があれば是非観に行ってみて下さい。日本各地で公演していますから。

それにしても、キムさんはこういうところで青春時代(笑)を過ごしていたのね。キムさんの歌で♪アリラ〜ン、アリラ〜ン って聴いてみたいな。

−−−過去の今日のこと−−−
2001年11月14日(水) 続・アド街隊目撃!

2002年11月14日(木)

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