ひとりカーニバル
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2005年08月07日(日) 防災無線(1)〜ネクスト・コナンズ・ヒント〜

皆さんは、防災無線を知っているだろうか。

防災無線とは、災害時における被害状況把握、連絡体制のひとつとして設けられたもの。学校でいえば、校内放送のようなものである。

――ある夜のこと。

部屋で風呂上りに牛乳を飲んでいると、けたたましく消防車のサイレン音が鳴り響いた。「火事か!?」

ダダダッと二階の窓を明け、暗がりの中を見渡すが明かりは見えない。「でも近いぞっ」

今度は玄関にとりつけてある無線機のもとに走る。「連絡が入るぞっ」少したつと、無線機が鳴った。「ピンポンパンポ〜ン」

無線機「ばばばば、ばっば、ばばばばーばっ(←喋る人がマイクに近づき過ぎで、すごい音割れ)」

「!?」その後も何か言っていたが、うっすら「火事」だと言う言葉が聞き取れるだけの放送で終わってしまった。「ピンポンパンポ〜ン」

「どこで起きたんだよっ」

マイクに近づき過ぎで、何を言っているのかさっぱりわからない。しばらくしてまた無線機が鳴った。「ピンポンパンポ〜ン」

無線機「先ほどの」「ばばば、ばばばば」「ばばばば工場でしたが」「ばばばばば…」

「……」

無線機「ピンポンパンポ〜ン」

「終わるのかよ!!」聞き取れた所から解釈すると、ここら辺で工場…っていったらうちから数キロ先の工場しかない。あそこの工場と放送したが…実はどこだったんだこんにゃろう!

最近、合併で放送する人も変ったのだが、これはいただけない。これだけ音割れしているのでは苦情や問い合わせ、忠告があってもよさそうなものだが…。そうこう考えているうちに、しばらくしてまた無線が鳴った。「ピンポンパンポ〜ン」

無線機「ばばばばば」「ばばばっばば」「鎮火しました」

聞こえねぇ、聞こえねぇけど鎮火してなにより。

無線機「こちらは」「防災」「〇△町です」(←最後の決まり文句なので音割れしてても判る」」
「ピンポンパンポ〜ン」

「エーー!?結局、どこだったんだ〜!!」
沢山の不明の言葉を残して終わる防災無線。その夜、再び無線が鳴ることはなかったという。


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