ひとりカーニバル
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2002年02月23日(土) フェイント

クリオネという生物がいる。

翼のような器官を動かしながら泳ぐその姿のため、天使とも呼ばれて話題になった、あの生物である。流氷が漂う冷たい海域に生息する。北海道紋別市のオホーツクタワーでは、このクリオネの観察が可能な、生態コーナーもあるそうだ。

エサを食べる瞬間が、天使の所業にしてはあまりに残酷なことでも知られるクリオネ。頭部がパックリと割れ、そこから触手が伸び素早くエサを体内に引きずり込む。

厳しい自然界を生き抜くにはこれくらいのフェイントは許されるはずです、と「明治健康ファミリー2月号」の特集のコメント。

・ 小学生のとき、踊りの練習中ステージで説明する人につられ、タイミングを間違 える。背が低く列の一番前だったため、後ろで皆が体育座りをしてる中ひとり「平成おんど」を踊リはじめた。
・ 中学生のとき、男の子に「話があるんだ」と言われ、一緒に帰りながら話をする。わたしの友達のことが好きらしく、「似合うと思うか……?」と聞かれた。知るか。
・ 研修中、スーツでビシッと立っているときに、約一名にやたらと“ひざカックン”をされる。てめえ。

わたしの人生の中のフェイント。こうしてみると、わたしはフェイントされる側が多く、自然界ではクリオネにぱっくり食べられる側であるといえる。

「平成おんど」の例では、本来フェイントではないものに、ひとり勘違いしてフェイントを作り出しおり、自然界では死に急いでいる種として早くも絶滅の危機。





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