ひとりカーニバル
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2001年12月04日(火) 人面リンゴの日の出

法事でチビいとこが来たとき、夕飯に人面リンゴを出しました。これは追記しておかねばならないでしょうと思い、話をむしかえします。

人面リンゴに対する、すこぶる家族の態度の冷たさに、わたしは他のところでの人面リンゴの活用を考えていました。そこに持ち上がった法事話。泊まりに来る無邪気なチビッ子。全てはこの人面リンゴ日の出のために用意された舞台であるといえます。

イカを茹でたり刺身を盛り付けしたり。夕飯の準備が大方終ると、わたしはこそこそと人面リンゴ作成にとりかかったのでした。チビッ子は大人しく夕飯食べている時間が短く、今にも夕飯を切り上げて遊びそうな雰囲気。早く仕上げなくては、と人面をふたつにとどめ、あとはうさぎさんに。

「これ、よかったら食べてください」
無理強いはしません、無理強いはしませんから……という弱々しい気持ちが込められたその言葉。何かあったらもう立ち直れません。

「あははは!どうしたのこれ」
チビッ子母の反応。

「ハハ、今凝ってるんですヨ」
返す私。こんなものに凝っている21歳もどうにもしがたい……心の中でそんな言葉がエコーします。

「ほら、見てごらん。顔があるよぉ〜」
チビッ子母が子ども達を誘導してくれています。ありが鯛。

「舞ちゃんの顔はどーれだっ」
いや、そんなつもりは。

「お兄ちゃんの顔はどーれだっっ」
確かに顔二つ作ったけど、そんなつもりは。

まぁそれはそれでおいしい、と真実は心の中に風呂敷包みです。

で、肝心の子どもの反応。じーと不思議そうに見つめてたかと思うと、顔をとってかじりかじり。「ふたりともまず!顔をとった!してやったり」と密かに心躍らせる私なのでした。



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