原案帳#20(since 1973-) by会津里花
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2003年03月14日(金) フラバが必ず悪いことなわけではない、ということ

★1・こんな「フラバ」も



★1・こんな「フラバ」も

@原案帳メール

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Tittle:やさしいフラバ

地雷。

初めはそんなふうに思った。

でも、違った。

赤から紫、青へと微妙に色が変わっていく、カップルのマグカップ。
私は食器棚のそこにそれらがあることに気づかず、不意に目に入って来た時、突然涙があふれてきてしまったのだった。
お客様にお出しするコーヒーのカップを選んでいただけなのに……

やだ。
お客様に涙顔なんか見せたらどう思われるか。
その手の(レディスコミック?)
……と茶化すのは止めて。

そのカップルのカップは、元パートナーであったNさんが、私を、彼女の知り合いの陶芸家のところに連れて行ってくれた時に、二人で選んで買ったものだった。
私と彼女の、いちばん最後の、いちばん美しい思い出。

晩秋の落ち葉を踏みしめて、彼女はいつになく優しかった。
私は、彼女の持つ独自の芸術性に触れることができて、それがほのかに嬉しかったのだ。

彼女は、彼女なりに精一杯のやり方で、私を癒そうとしていたのだった。

今まで、すっかり忘れていたし、たとえ思い出しても、今回のような思い出し方をしたことはなかった。

埋もれていた記憶と感情が返ってきてくれて、本当に嬉しい。

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私がよい方向に解けていく。
それが何より、嬉しい。

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