- 2002年03月11日(月) 花粉症(?)でダウン はっぴぃウェディング 多様な「性分化」について
★1・風邪だか花粉症だかでダウン
★2・認められない
★3・ダメ〜〜〜
★4・「はっぴぃ ウェディング」
★5・性分化の多様性について考える(サブタイトル:朝の夢)
体調が悪い。
さっき、出血してしまった。
(そういえば、私は自分のHPに、自分が体については、もうほとんど「完全」と言っていいくらい
性転換を済ませていることを、書いていない……
そういうことを書いて、興味本位の人たちからうるさい質問をされたり、
時にはとんでもない誹謗中傷にあって傷つくのを恐れているからだ……
私は、ふだんは「何を書かれても私は恥ずかしくない」などと思っている。
っていうか、恥ずかしいことはいくらでもあるけれど、
自分についての事実だったら、それは隠すことはできないし、
仕方ないと思っている。
けれど、ありもしないことまで書かれてしまったり、
事実のほんの一部だけをあげつらって誇張して書かれたりしたら、
それはやっぱり嫌だ……)
風邪か花粉症か、鼻炎を起こしてしまい、
しかも、夜おかしな時間に寝たり起きたりする状態になってしまった。
頭痛がする。
そんな中で、夢を見た。
グレゴリオ聖歌に囲まれながら、
私は教会通りを歩いている。
東京の、荻窪駅北口側だ。
私はこの町で、5年ほど暮らしたことがある。
教会通りは古い下町の町並みで、狭い通りに小さなお店が何軒も並んでいる。
屋台とそれほど変わらないかのような、ひらひらした囲いをつけたつくりのお店から
ちらっと見えるのは、私が暮らしていた頃にお世話になったお店のおじいちゃん。
あれ? でも、これ、「鍵屋」なの?
おじいちゃんは、お店の中で誰かの鍵を直していた。
私は、あの古い喫茶店の横を通り過ぎながら、なぜか
「今日は帰れる。今日は帰れるんだ」
と呟きながら、それが深夜の人通りも途絶えた教会通りじゃなくて
昼間の雑踏であることにほっとしながら、
歩いていくのだった。
映画の1シーンみたいだ、と思った。
それから、帰宅して、出血したところを取り出してみた。
「解剖学的にはこうなっているんです」
と、誰か(自分?)がピンク色になったその部分を見ながら説明している。
傷口の部分が開いて、中のものが流れ出ている。
「明日、お医者さんに行かなくちゃ。診てもらおう」
執刀医のところに行けばいい、と思っていたから、そんなに恥ずかしくはなかった。
ところが、よく見ると、「中のものが流れ出ている」のは、
実はもともと「男の器官」だったものを加工してあるので、
……中に巨大化して肉眼で見えるようになった「精子」の死骸(まるで生しらすみたいだった)が
透き通って見えるのだった。
気持ち悪い。
私の血には、そういうものが流れているのか。
性自認と体内のホルモン環境にはあまり関連性はない。
だから、はっきりと女性の性自認を持ちながら、
どこからどう見ても「男」にしか見えない者が、確かに存在するのだ。
当然、性自認とは関わらない部分で、
ホルモン環境はものの感じ方とか考え方などに、大きな影響を与える。
だったら男として生きればよかったのに、と言いたくなるほど。
(実際、そうやって生きようと決意して、それを貫いている人だっているだろう。
私にはできなかったけれど)
私は女性の性自認を持っている。
それは、何だか知らないけれど、確かなことだ。
でも、その一方で、自分が男の肉体を持っていたことで、
そのように体が成り立っている、または成り立っていた、
そういうことが、今でもまだ、体や頭の中に、
色濃く残ってしまっているのだ。
できることなら、脳のそういう部分も取り除いてしまいたい。
念のため、性欲とかのことではない。
そんなもの、もうとっくに男じゃなくなったし、
ちょうど禁煙できた人が喫煙者の愚かさを並べ立てるのと同じように、
今では「テストステロン中毒」じゃないことがよくわかるので、
ああいう気持ちの悪い苦しみはもう二度と味わいたくない、と思うだけだ。
女の性欲は、もっと関係性そのものを感じ取るようなデリケイトなもので、
「とにかくイケばイイ」みたいな捉え方では決して理解できないのだ。
(もちろん、理解できている男もいる、というのは私にもよくわかるけれど、
その一方で、どう見てもわかってない、という男がまだまだ大量に出回っている)
性欲を自己管理できる男が、もっともっと増えたらいいのに。
女を食い物にしない、でも決して女に怯えてなどいない、
そういう男が、もっともっと増えたらいいのに。
私だって、男になろう、女を愛するんだ、と思っていた頃は、
テストステロンを上手にコントロールできるほどのいい男になろう、とまでは
思いも及ばなかった。
何しろ、息を止めるみたいにして、できるだけ早くそういう気持ちの悪い感覚から逃れるために
さっさとイッて終わりにしたい、それだけだったし、
女を愛する時には、相手の体を慈しむことにできるだけ重きをおいていて、
自分が相手の中でイクなんて、できるだけしたくもなかった。
……そう思っているつもりだったのに。
「夫婦」という関係を作り、その中で「これなら『男』になれる! もうバレない!」と
自分をごまかす方向に生きようとしたのが間違い。
私はどんどん間違った方向に、……
間違った意味で「男」になってしまったようだった。
臆病。
攻撃的。
感情的、なのに感情表現はへたくそ。
仕事にのめりこんで相手のことは忘れる。
自己中心的。
そういうものの挙句に、私は自分でも信じられないようなことをしてしまった。
喧嘩したときに、結婚した相手を組み伏せて、身動きできないようにして、
相手に対して自分の言葉をいつまでもいつまでも投げつけたのだ。
男になっていく。
負担を負いすぎておかしくなっていく仕事に対する感情もあり、
私はどんどん灰色の人間になっていった。
そんなときに、共依存相手……というか、私を支配し、搾取する人と出会い、
いつしか取り込まれていったのだった。
私は、その人の心の中では、「男扱い」だった。
つい最近、その人から完全に離れるまで、私はその人が私を男扱いしたまま
「女性として認めていますよ。応援していますから」
という言葉にがんじがらめになっていたのだった。
なぜ、そんなことがわかるかというと……
その人は、何度も私に対して「里花ちゃんのことは女として見ています。
もう男としてなんか見ていないから」と言いながら、
私と「似ているタイプ」として、けっきょく男性を挙げたりしてばっかりいたのでした。
しかも、私はまともな「人」としては見られていなかった。
私の大切な気持ちは、常に無視されていた。
「プレゼントをするのは男女関係ないから」
と言いながら、その人が私を結局のところ「男扱い」している、というのを、
私は見抜いてしまっていた。
気持ち悪かった。
がんじがらめだった。
実は、個人的な言葉を書こうとすると、今はこういう恨み言しか出てこないのです。
だから、日記そのものも、今はちょっと書きたくないくらいなのです。……だめっす。
今、[18:19 02/03/11]。
でも、ばいおくんの前で寝そうになってる。
調子悪いままです。
(文章の分量の関係で一部割愛m(__)m)「結婚式」を題材にしたドラマをやっている。
……
うう〜ん、懐かしい。
って、かなりずきずき来るんですけれど。
私も、あんなふうに結婚式とか披露宴とか、やったっけ。
事情は知らないけど、結婚式と披露宴が2ヶ月もあいてしまったのだけど……。
しかも、ぶりぶり喧嘩しながら、なんていうのも、なんだか覚えが……
あーあ、もう1人花嫁さんがいて、自分は地味な格好しかできないのだったら、
悪いけど結婚式や披露宴には興味持てないよねー。
確かに私は「自分が夫で新郎役、相手が妻で新婦役」と心に決めたつもりだったけど、
それでも彼女がちやほやされてるのを見ていて、
「なんで私が」と思ってしまったのでした。
「私には、こんな衣装を着て、こんなふうにちやほやされる機会はないんだ」と。
それでも、がんばりましたよ、私。
披露宴で彼女が何かに躓いて転びそうになったとき、間に合わなさそうだったけど、
一生懸命抱きとめようとしたもん。
でも、動きがとろくて、
むしろ私が「すぐに駆けつけなかった」みたいな言われ方をしてしまった。
彼女に歌を贈った。
でも、その歌は彼女の興味をそんなに引かなかった。
っていうか、彼女にしてみれば、
「それがなくちゃ男でいられないなんて、バカみたい」としか思えなかったんだろう。
「いつまでも大人になれないのね」って。
それ自体は、その通りだったような気もするんだけど……
お舅さんが、いきなり「男の子をもうけなさい」と言った。
なんでそんなこと、勝手に決めるの。言われたくないよ。
そりゃ、Uくんはかわいいし、
男の子でよかったけど……
……
ああ、どうしよう。
今日は醜い「恨み節」ばっかり。
「元パネタ」なんて、もうやめようと思っていたのに。
あ、ドラマ、終わっちゃった。
そうか、『私の青空』のヒロインがここでも主人公(花嫁)役か。
へえ、続編、やるんだ。
私、つまんない人間なのかなあ。
『プリティガール』とか『木更津キャッツアイ』とかにはなかなか興味が持てず、
『金八先生』とかNHKの朝の連ドラとか、
あと、地球ふしぎ発見、だっけ?
それにしても、NHKものばっかり見てしまう。
民放は、刺激が強い……っていうか、やたら笑わそうとするからいや。
弟が、何か話そうとしてもあんまりこちらを向かず、
テレビを見て笑ってばかりいるから、いや。
私と一緒に笑ってよ!
ああ、つまらないことばっかり書いている。
男から電話。
もう、私のことなんか、諦めてくれればいいのに。
どうせあいつも「ヤリたい」だけでしょ。
いいよいいよ。
私の価値なんて、体だけなんでしょ。
もう、中から腐っていくだけの、
老いさらばえたこの体。
今朝見た夢を思い出した。
あれは気持ち悪かった。
なに、この鬱は。(突然思い立ってこんなことを書き始めましたけれど、
これは「ノンカム」のTSの人たちを意識して考えたことです……)
1.
私は以前「AIS症候群」の方と掲示板でほんの少しだけお話する機会がありました。
「AIS症候群」というのは、性染色体は「XY」で、SRYからくる精巣はあるけれど、
それ以外の体に男性ホルモンを受容して体のかたちを「男性化」させる機能が欠けている
「性分化(異常)」の一つです。
AISでは外性器の形状は女性型になることが多いので、出生時の性別は「女子」とされることが
多いようです。
(ただ、かなり広い幅があって、XXの女性と全く変わらない人もいれば、
男性型にかなり近い形状になってしまう人もいるそうです)
私自身は自分が男性の形をした体を持っているのが嫌で嫌で、
親からもらった遺伝子はどうしようもない、と思っていましたけれど、
いくらそう思っても嫌なのが我慢できなくて、
「同じXYでもいっそAIS(当時は『精巣女性化症』と呼ばれていた)だったらよかったのに」
などと考えたりしていました。
それは、今思えばとても失礼なこと、というより、冒涜に近かったと思います。
そのことで死にたいくらい苦しむ当事者だっているというのに……
で、私が対話したその人は、
「自分がXYという遺伝子を持っていて、子宮もなく、子どもが産めないということはわかっている。
けれど、それをいちいち人に打ち明けようとは思わない」
と言うのでした。
それはもっともです。そんなこと、言いさえしなければ、「ふつうの女性」でしかないんですから。
(ただし、このことにもいくらか「幅」があって、全く男性ホルモンに反応しない体の人は
昔の言い方だと「最も女らしい体つき」をしているそうです……差別的な雰囲気のある言い方だけど。
でも、ある程度男性ホルモンに反応してしまうタイプの人もいて、
そういう人はいくらか男性的な雰囲気になってしまうそうです。
ただ、それを厳密にチェックして、いったいどうしようと言うのでしょう?
「おまえ、女に見えないぞ。オカマか?」などと追求するのでしょうか。
うう、凍えそう(-_-;)
生まれてから、何らかの家庭環境とかその他の条件で、自分が女の子であることを
幼い頃から全く疑わずに育つことができたMtFTSは、
たとえたまたま出生時の「体のかたち(=外性器のこと)」が
男性型であったとしても、「AIS」の人と何ら変わりはしないと思います。
なのに、なんで「出生時のかたち」にばっかり拘るのでしょう。
性染色体のことを言うのなら、AISもMtFTSも、どちらもXYで変わりません。
なのに、なぜ、「出生時男子として振り分けられた」からといって、
いつまでもそれに拘るのでしょうか。
2.
また、私にはクラインフェルター症候群の知人がいます。
性自認は女性です。
でも、「IS(半陰陽)」だったら「性自認に合わせて性別を選べる」、という
医学の教科書か何かの記述を当てはめようと思ったら、
実は「クラインフェルター」=「KS」と略すけど=というのは
「『男性の』性分化異常」なんですね?
しかも、ガイドラインには「他の身体的性分化異常のあるものはGIDには含めない」と
書かれていたために、事実上「KSで性自認に障害のある人」というのは、
GID医療からも、IS医療からも、抜け落ちてしまっていたのです。
いわば、「お見合いミス」みたいなものですよね。
私なんかは、素人考えで「XX+Y」ならば「XX=女性」の遺伝子も持ち合わせているのだから、
単純な「XY」のGIDよりもはるかに有利だろう、などと考えていたけれど、
現実はもっと酷く、かつお粗末だったのでした。
(ただ、もう一つの「現実」として、KSの人たちは、
確かにXYだけの人と比べて、いくらか男性的な雰囲気が薄くなる人が
多いようです。
性自認が「女性」ならば、こんなに有利なことはない、と正直なところ思います。
けれども、今度は反対に性自認が「男性」であるKS当事者にとっては、
こんなに「不利」なことはないんですよね。
やっぱり、そんなことを「鵜の目鷹の目」でチェックして、
やれ「男っぽくない」だの「女らしい」だのに拘っても、
当事者たちにとっては全くの「余計なお世話」です……)
追記:
実は、KSでGID医療のコースに乗った人を知っています。
もしかしたら、日本のガイドラインの改訂の内容に、
このことが追加されているのかもしれません。
これはとても現実に見合った、納得できる措置だと思います。
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こうやって「余計な情報」を掲載するのは、静かに「ふつうの女性/男性」として暮らしたい
当事者にとって、有害とはなっても決して利益にはならないのかもしれません。
でも、「情報」というのは、いずれにせよいろんなところを駆け巡るものです。
だとしたら、それをできるだけ上手に捕まえて、良質なものにしてまた飛び立たせてやるのが、
せめてもの良心なのではないでしょうか。
どうか、ちょっとぐらい「女らしくない」女がいても、やれ「本当は男なのでは」とか
詮索しないでください。
また、もしもお友だちが「私、実は○○なの」と性分化異常についてカムアウトしたとしても、
決して「それじゃあ本当の女/男じゃないの?」とは考えないでください。
(「本当の」って、どれが「本当」?)
あなたは「本当の女」または「本当の男」ですか?
あなた自身の「性」を貫くのが、あなた自身の「本当の自分」という「性」なのではないでしょうか。
たぶん、「どこをどう見ても間違いなく男/女」という人は、この世に1人もいないと思います。
逆に、あなたが「何を言ってるんだ、俺はどこをどう見たってただの男だ」と思うとしたら、
それを他の男性と比べてみてください。
きっと、いろんな点で、あなたともう1人の人は、だいぶ違ったことを「男」として捉えているはずです。
いちいち喧嘩にならないのは、それを「恥ずかしいこと」として、
お互いに打ち明けあわないから、というそれだけの理由だと思います。
それは、多様化した性分化の当事者にしても、TS(トランスセクシャル)やTG(トランスジェンダー)、
TV(トランスヴェスタイト=異性装)にしても、同じことなのです。
ただ、それがたまたま「目につきやすい」か「ほとんどわからない」か、
そんな違いなのです。