私的正論。

2008年03月05日(水) 花。

いい年になってから出会った魔法だ。
フェンスに囲まれた四角い空き地が一年に一度だけ、赤ずきんの挿絵で見たような。

一面の花をとりどりに咲かす。

初めて見たのは五年前。
今もあるだろうか。
あるといい。

目を疑う、その美しいトラップ。

人の持つ力を思い出す。
そうだ暗闇に夜明けを。
黒い土からの芽生えを。
信じて待つという力のことをだ。

四角い空き地に。
とりどりの種を。

一年に一度。
一瞬だっていい。

命の花を。
笑顔を。


それくらい本当は生きるってことは困難な「ただの旅」なんだろう。


四角い大地を染めるかりそめの楽園の真上の空を。


俺は今から予約して。
精一杯生きたあとそこから見下ろして。
酒を飲んでやるんだ。


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桜木



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