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2004年07月26日(月) 赤紫に染まる朝焼け

(昨日の日記からの続き)

帰りのムーンライトながらは、行きほど混んでいなかったので、横になって眠ることができた。はっと気づいたら、ちょうど品川駅あたりで、朝4時半の赤紫に染まったビル群がとても美しかった。こんな光景を見ることなんてないなあと、ちょっとだけ無理やり感動してみた。青春18切符で、往復夜行の名古屋日帰りはやっぱり無謀だった。名古屋の義父が住む家は今建て直し中で、仮住まいは本当に一人入ったらいっぱいいっぱいになるような狭い家である。ほとんど寝ていないのに、名古屋にいる間の18時間は横になることもできず、そのまままた夜行に乗って3時間ほどしか眠れなかったのだから。

名古屋でしたことは、お墓参りと、家の仏壇でお経の本一冊を唱えること。それ以外は特に何もない。わざわざ会いに来てくれた叔父とお昼を食べて、夕食は義理の妹家族6人と一緒に合計10人で中華を食べにいった。

義母が亡くなって6年になるけれど、義父はまだお墓に納骨できないでいる。時間をかけてお経をあげることも毎日欠かさない。義母が亡くなって初めて私は義父がどれほど義母のことを愛していたかを知ったのである。

もともと心臓が弱かった義母が突然倒れて一晩で帰らぬ人となったその日、義父は虫の知らせか、東京に出かける予定だったのをキャンセルして家にいた。病院に付き添うことができたのだが、それから数時間後、義父は病院で、人目もはばからず義母の名前を何度も何度も大声で叫びながら男泣きに泣いたそうである。それから、四国のお遍路さんを一人で時間をかけて回ったり、どこかに旅行に行くときも、いつも義母の写真を携えて行ったりしている。

長男の嫁でありながら、義理の妹に義父のことをまかせっきりにして、なんにもしていない私だから、せめて1年に1度くらい、お墓参りと仏さん拝みをして父の喜ぶことをしてあげたい。そのための18時間だったのだ。


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