samahani
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2004年02月26日(木) やっぱりすごかった

ここワシントンDCエリアにはもう5年8ヶ月も住んでいるというのに、私はまだ一度も美容院に行ったことがなかった。
一番の理由は、こっちの美容師さんの技術が下手で、メチャクチャにされたという話をよく聞くからで、2番目の理由は、高いから。と言っても、日本の美容室と同じくらいの値段なんだけれども、普段の生活費が安いから、70ドル(=7500円)が高いと感じられるのだ。

例えば、牛乳は1ガロン、2.69ドルだから、(1gallon=3.78liters;$1=106円)で計算すると、牛乳は1リットルあたり、75円だ。ガソリンは1ガロン、1.69ドルだから、1リットルあたり47円。一番安いシチュー用の牛角切り肉は1ポンド、2.99ドルだから(1pound=453g)、100gが69円である。ちなみに、メリーランド州は食料品には税金がかからない。

今日、DCのダウンタウンに所用で出かけ、1時間ほど時間をつぶさなくてはいけなくなり、目に付いた美容院にふらりと入ってしまった。

カットなら伸ばし放題になっていても我慢ができるけど、白いものが目立つようになってきたのは気にかかる。白髪を染めるためだけに日本に帰ることを思えば、もし下手でも安いもんだと自分を納得させ、お願いすることにした。

着ていた上着を預かってくれる気配がないので、「これどうしましょう?」と訊くと、「あそこにコート・ルームがあるから自分で掛けてきて」とのこと。コート・ルームに入って上を見ると、棚には折りたたまれたケープが置いてあった。それも自分で身につけるということらしい。余分なサービスは一切してくれないのだろうか。日本の過剰なサービスになれている身には、物足りないと言うより、すがすがしくさえある。

鏡の前に座ると顔にクリームもつけず、直接“染め液”を塗り始めた。日本では、はみ出した染料から肌を守るためのクリームを塗るのに。それから、アシスタントの女性が、わりと丁寧に塗っていったけれど、どう見ても全体に行き渡っていないうちに液がなくなってしまい、頭の後ろ側は、全部できていないのに終わりにされてしまった。けど、後ろ側は自分では見えないから、まーいっかと思ってしまった私も、同じくらい「てきとー」である。

洗髪するために、椅子に座り、背もたれが倒れるだろうと待っていたら、頭だけをシャンプー台の中に置いたままシャンプーが始まってしまった。つまり、普通の椅子に座っていたという訳なのだ。少し高い位置にあるシャンプー台に首だけを後ろに倒して髪を洗うので、首が硬い台にあたって痛い。当たり前のようにウィーンと倒れる日本の美容室の椅子はなんて偉大なんだと、へんな感動をした。

シャンプーのあと別料金でブローもしますか?と訊かれた。日本では、丁寧すぎるくらいにブローをしてくれて、ああ、髪が痛むよぉなんて思っていたから、無しで済ませられるならその方がいいと思い、「要りません」と答えると、ほんんっっっっとーーーにっ、なんにもしてくれなかった。コート・ルームで自分の髪に触り、絞ったら水滴がしたたり落ちた。やっぱりブローもしてください、と引き返そうかと思ったけど、時間もなかったし、手持ちのパーパータオルで髪を拭き、半乾きのまま店を後にした。

いやー、ほんとにすごいョ。あれで「終わりです」って言えるんだもの。ブローはしなくても、タオルドライくらいは、してくれるだろうと思った私が甘かった。

いろいろ経験してみるもんだねーって思った。そこそこ気に入った仕上がりになったからこそ言えることなんだけれど。



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