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2002年11月05日(火) 家族のかたち 2

「アメリカ人のライフスタイル」(サイマル出版会)という本によれば、この国の結婚の50%が離婚に終わり、結婚期間の平均は9年で、子どもの32%は片親だけの家庭に育つのだそうだ。(p53)

周りを見ても、そこまで離婚が多いようには見えないが、知らないだけなのだろうか。(因みに、子どもの小学校の名簿では、片親の子の割合は20%ほどである)

息子2がマグネットの学校に行っていた頃、(普通の学校より早めに家を出るため)毎朝、家の外で子どもを待っている父親とすれ違った。どうしていつも子どもより早く家を出て、外で待っているのだろうと疑問に思っていたのだが、しばらくして、その男の人は、子どもと同居していないことに気付いた。子どもが家から学校まで歩いて通う5分ほどの時間を一緒に過ごすために、毎朝やってきて、外で10分以上待っているのだ。ときにりんごを齧りながら、ときにポットのお茶を飲みながら。

アメリカでは離婚した場合、男性の方が家を出るのが一般的だそうである。そして、日本のように子どもは母親の方が引き取ることが多いが、日本と違うのは、「離婚して出ていった親には会わせないということは少ない」ということだ。そのために父親も近くに住んでいる。

息子2の友だちで、毎週日曜日の午後はお父さんに会うから遊べないよという子がいる。日曜日の午前には教会に行き、午後は父と過ごす。別の家庭では、半日だけではなく、ウィークディは母親と、週末は父親と過ごすと決めているケースもある。

近所に、3人の男の子が居るアメリカ人男性と再婚した日本人の女の人がいるのだが、彼女の場合は、週末の母親宅訪問以外にも、学校行事(参観日や個人面談など)は元の母親の仕事なので一切関わらないという取り決めになっているのだそうだ。

来てすぐの頃、息子2(当時小2)の日本人の友だちが 「おばちゃん、知ってる? クリスってね ふたつも家があるんだよ、それでね、どっちの家にもいーっぱいおもちゃがあるんだって。いいねぇー」 と無邪気に私に教えてくれたことがある。 (うっ、それって離婚して、両方の家を行ったり来たりしているってことなんだけどな・・・)とは、言えなかったが。

離婚の事実を隠して子どもに教えない日本人の両親の教育方針は、私には疑問である。私なら、子どもが幼稚園児だったとしても、離婚という言葉を使って、きちんと本当のことを教える。「クリスのお父さんとお母さんは離婚してしまったけれど、ふたりともクリスのことが大好きだから、クリスの近くに住んで、なるベくたくさんクリスに会えるようにしているんだよ」と。

離婚はしなくて済むならその方がいい。けれど、離婚するとなった場合に、そんなふうに隠してしまっては、子どもには悪いことだったとしか思えないのではないだろうか。

(家族のかたち、3に続く)


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