samahani
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2002年01月21日(月) 赤く泣き腫らした目の女性がいたら・・

わたしは帰りの飛行機の中で文庫本を読んでいた。帚木蓬生(ハハキギホウセイ:漢字を探すのに苦労する名前だな)の、『閉鎖病棟』。ちょうど、ワシントン・ダレス空港に着く頃に、最後のページ近くなってきて、わたしは声こそ出してはいなかったものの、鼻水ダラダラ、目は真っ赤という状態でしゃくり上げながらページをめくっていた。飛行機は夜遅かったこともあり空いていた。初めは隣に座っていた、アメリカ人の老夫婦は、いつのまにか後ろの空いている席に移動していた。

ちょうど本を読み終わった時に飛行機は滑走路に滑り込み、わたしは涙を拭き、赤い目のまま立ち上がって荷物を上の棚から取りだそうとした。そのとき、さっきの夫人に声をかけられた。「うちのダンナがあなたの荷物を降ろすのを手伝うわ、いいのよ、使って頂戴」 そんな感じだった。素直にありがとうと言って、一緒に荷物を降ろすと、こんどは「あなたのセーターの模様とっても素敵ね、よく似合っているわ」と唐突にわたしのセーターを褒めた。

ありがとうと言いつつ、なぜ突然そんなことを言うのだろうと思ったが、そのおばあちゃんは、わたしの泣き腫らした目を見て、慰めて、元気づけてくれようとしたんだなと気付いた。ありがとう、おばあちゃん。でもわたしは悲しいことがあって泣いていた訳じゃないんです・・口には出さなかったけれど、(きっとそういうつもりだったんだよねと解釈し)わたしはとっても嬉しかった。


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