キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2005年01月03日(月) 月日が廻る。

あけましておめでとうございます。
今年もひっそり書いていきます、都築はるです。


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去年の12月28日。
高校の同級会に行ってきた。
スカートと、黒のブーツ。
普段はあまりしない化粧。猫をかぶるように、繕う。


懐かしい友達と会った瞬間、「はるがお姉さんになってるー!」
って言われた。
変わってないんだけど。

高校時。
私は皆が好きだった。
勉強だけにあけくれる訳ではない、あの教室の空気と温度。
どうして皆あんなに優しかったのだろうかと思う。
もうあの場所には戻れない。


飲み会。
みんな色恋沙汰話に華が咲く。
「彼氏できた?」
「彼女できた?」

そんな話ばかり。別にいいけれど。
年が上がるにつれて、独りであることがどんどん惨めに見えるのかもしれない。
妥協ばかりを持ち、独りじゃないことを確認できるように、誰かの好意を受け入れる。
悪いなんて言わない。軽蔑なんてしない。
ただ私は、もし傷つける事があるなら嫌ってだけの話。
軽い気持ちで付き合って、周りの人が傷つく場合もある。


周りを傷つけたくないのは、自分が傷つきたくないからとか。
そういうことはもう分かりきってるから。






皆お酒がまわってくる。
私は殆ど飲まなかった。

智樹と蓮が話しかけてくる。

蓮は、高校の時に別れた彼女とやりなおしたい、どうしよう。と私に相談する。
その首にかかっている2万円のネックレスを、私は知っている。
蓮の家庭事情は複雑だ。そのせいもあってか性格が何処かひねくれている。
私はそんな彼に怒ったり、軽蔑したときもあったけど。
なんだかんだ言って許したり、沢山話したりしていて、矛盾の多い生き物だ、人間て。
蓮は顔立ちが綺麗だから、あれで性格も曲がってなければね、と内心思う。



智樹とは、少し複雑な心境で話してた。
自分の感情を否定したり、理解不能だったりする私は、智樹のことも、どのように思ってたかよく分からなかったけれど。
高校のとき、多分私は智樹に惹かれていたんだと思う。
認めなかったけど。

飲んでるとき、少し昔のことを思い出した。
勘違いしないように笑ってた。




蓮の顔立ちに騙されないように、離れた。
結局私もみんなと同じなのだ。



お開きになって、駅に向かった。
中ちゃん(女のこ)と智樹と私で迎えを待った。
智樹が突然
「もう一生会えないってこともあるよね」
と言った。



哀しくならないように心を閉ざした。
「そうだよね。」
と、少し笑ってこたえた。




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