キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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もう私のことは忘れたのだろうか。 過ぎていく夜が朝になっても、辛くない程話せたのに。 私は素直じゃないから。もう、想う側は辛いから。 せめて一瞬でも、思い出してくれたらいいな。
世界に一つだけの旋律と、機械音。 私が魅了されすぎて狂ったように聴いていた、音楽達。 君と同じような道を行くのは絶対に嫌だった。 だって、ライバルだって思われてしまうかもしれないから。
比べられるのが怖いよ。私はただ、君を尊敬しているだけなのに。 ただ憧れているのに。その才能と意志の強さに。 君に対する想いはおそらく半分くらい嫉妬かもしれない。 でも私にとって嫉妬って、愛しいという言葉と同じくらいだから。
何よりも話す程君は遠くなる。 ふと口に出してしまう時がある。
「今、Jに一番届かない。」
本当は分かって欲しかった。悟って欲しかった。 勝手だ。私が全てを相手に委ねすぎる。 明日世界が破滅するなら、全て話せるのに。仮定法で全てが終わる。 明日があるって、自由だけれど制限もされる。
隣を歩くことがこの先あるだろうか。
「もし生まれ変わったら。」 なんて、意味のない言葉だ。来世まで待てる訳がない。 現世で君と。君と見に行きたい。たとえそれが友情でも愛情でもなくても。 きっとそれ以外の感情だって存在するものだ。 そう、思い込んでもいいかな。
ただ繋がってるのはこの小さなもの。 なんて細い糸で繋がっているのだと思われるでしょう。 でも僕等にはこれしかないんだ。 ただこれだけが光っているんだ。
壊される前に、自分から怖そうかと思った。 でも駄目だったよ。 どんなに私が君を想っても、どんなに君が家族のような愛をもってくれたとしても、いつか終わりがくるなんて。 そんなの哀しすぎて、嫌だよ。 だって、私は、この先ずーっと、ずっと忘れないと思うから。 ずっと思い出せると思うから。忘れないんじゃなくて、忘れられないから。 一方的なんて、哀しいよ。
あなたに、聴かせたい音楽がある。
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