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2012年03月22日(木) ■正論を言ってばかりいると、煙たがられる

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正論を言う人は一目置かれるかというと、なぜかそんなことはなく、
煙たがられることのほうが多い。いったいなぜだろう。(略)

正論とは、たとえて言えば、
純度100%の塩化ナトリウムみたいなものである。
自然界にある《塩》は、ミネラルやカルシウムなどの《不純物》が
混じっていて、純度100%なんてありえない。
だから受け手の舌が肥えてくると、この塩化ナトリウムが、
どうも、不自然な味に感じられるようになる。
ただ塩辛いだけで、味に深みがない。
逆に《不純物》が混じっている方が、塩辛さのなかにも、
微妙な甘みや苦みがあり、味わい深く感じられるものだ。(略)

たとえば、「ムダな道路やダムをつくるのは即刻やめるべきだ」
これは正論。確かにそのとおり。否定はできない。
「たしかにそのとおり。でもそうは言ってもね…
 じっさい道路ができて便利になった人もいるわけだし…
 公共事業なくしちゃったらずいぶん失業者も出るし…」
というように、否定はできないけど、100%認めてしまうのは、
なんだか違和感があるという《不純物》がたいていあるものなのだ。
この「そうは言ってもね」の部分をお互いに共有できていないと、
話は通じない。
世の中、そう簡単ではないのだ。



出典元 「言いたいことを確実に「伝える技術」」
おすすめ度 4.5
著者名 岡本 象太


私なども、正論を主張されると、
「うーん、確かにそのとおりだれど、そうとばかりとは
 言えない面もあるなぁ」
「そんなに立派なことを言われてもなぁ…」
などと反論したくなる。

正論を言われると、どうも一方的で偏っている気がするし、
こちらがまちがっていると言われたような気になり、
反発を覚えてしまうのだ。
それが正論であればあるほど。
もちろん、正論を言う相手にもよるけれど。

だからといって、正論を否定しているわけではなく、
ときとして、正論が必要なときもあると思う。
ただし、「正しいことを言うときほど気を使う」ことが
大事だそうだ。

なぜなら、世の中、100%の正しいことはないし、
その正論が人間性を全く無視したようなこともあるし、
非難になることもあるし、人を傷つけることもあるから。
それに、生きていれば、正論ですまないが多いから。
正論を言うときには、言い方に注意していきたいと思う。

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