語り
DiaryINDEX|past|will
最近NHKで、「シルクロード」(中日共同製作)の再放送を やっている。喜多郎の曲がなんだかなつかしい。
1980年代の映像は、いまなお鮮やかで、 私は、見惚ける。
その中でも、敦煌の壁画の映像には圧倒される。
西域のほぼすべての時代の芸術が、凝縮されている。
あの、赤と青の絢爛たる色彩は、1000年を超えて 今なお、色褪せない。
圧倒されながら、私が思うのは、
歴史にも残らない、 あの絵をつくり出したひとたちの思い。
「誰に見てもらいたくて描いたんだろう?」 と、いつも思う。
一種の宗教画なので、もちろん、供養という形で 仏に捧げたものであるし、 職業として壁画を描く職人がいたという史実も残っているらしいが、
結局、その作品を見るのは、人間だ。
誰に見てもらいたかったの?という疑問は消えない。
ので、勝手に、想像してみた。
そして、なんとなくわたしが想像するのは、
もんのすごく、描きたいものがあった。 だから描いた。
そうでなければ、あんな砂漠の過酷な環境で あんなすごい絵描けないかなあ、と。
自分の理想とか、自分の思想、美しい世界観を、 土壁に刻みこむような情熱で、
目に見えるなにかで残したかった。
それを見て、喜んでくれる人がいれば、なお、嬉しい。
それで、いいかなって。
次元もレベルも、全然まったく大いに違うのであるが、
HPを作る立場に自分がなってから、 そんな事を思うようになった。
1000年を超えた、 名も知らない、昔の人が創った 赤と青の芸術のオーラは、 ブラウン管を超えて私を圧倒する。
絵ってすごいなあ、と、しみじみ思う。
|