語り
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今日、大学時代の友人、やまだみえ(※本名)が、和歌山にやってきた。 仕事の出張で月曜から2日ほどターミナルホテルに滞在する予定。
1日早く、私と遊ぶためにはるばる埼玉大宮よりけさ関空に到着。 関東人ながらも、ワイルド好みでは私に劣らぬ彼女。 以前にも和歌山に何度も来ては、川で泳ぎ、得意の犬カキを披露していた。 そのイヌかきの姿がなんともいえぬ怪しさなので、うちの母が思わずビデオ録画し、私が東京に持ち帰り、ゼミの仲間と鑑賞したことは懐かしい思い出である。
彼女が5時から社用があるということで、白崎海岸〜イタ飯〜煙樹ガ浜、という、いつもの演部民好みな半日ドライブコースを選択。 いい天気だったので、いつもよりまして海も青く、埼玉県民のくせに海が好きな彼女は(※埼玉には海がない)、非常に楽しんでくれていた。
1時には、白崎海岸のサン・リベール(海のそばのイタリア料理屋)に到着し、遅い昼食をとったのだが。 彼女が選んだのは「本日のおすすめランチ」。 サラダ、ミネストローネ、車海老のなんとか風グリル、それにコーヒーと季節のケーキ(栗が入っていた)。そして、パン食べ放題コース。
「あらあ〜。食べ放題だって。すばらしいわ。全部制覇しちゃいたいね!」 「無理やって。けっこう、おかずだけで満腹になるんやから。ここ」
そして彼女は、 バジルパン、くるみパン、ミルクパン、フランスパン、オニオンパン、クロワッサン、オレンジパン、セサミパン。
軽く全8種類のパンを制覇した。
・・・わたしはここにくるのは3回目だが、かつて全8種類のパンを制覇したヤツは見たことがない。
一回目、美生と来た時も、たしかパスタセットで2人は満腹になった記憶がある。 2回目、男のヒロですらもさすがに全8種類のパンを制覇はしていなかった。
おそるべし、やまだみえ(つられて私も4つも食ってしまった)。
「あれ?久保ちゃん、もう食べないの?ねえ、久保ちゃん、和歌山帰ってから、ちょっと軟弱になったんじゃないの。昔は私と同じ量をわたしより早く食べ終わってたくせに。学食の男子学生用のランチを、小貫(※ゼミの男)と同時に食べはじめて同時に食べ終わった伝説の持ち主なのに」
演部民内でも随一のワイルドさを誇るこの私に「軟弱になった」?! 和歌山に帰って、さらに磨きをかけたつもりだったのに。 東京時代の自分にまだまだ及ばぬというのか君は! ショックだ・・・・。 彼女はそう私に、教え、さとすかのように、満腹でテーブルにつっぷしそうになっている私の前で
「いやあ、海のそばのレストランなんて、やっぱり和歌山はいいよ〜〜〜〜。あ、すいませーん、パンくださーい」
と、終始上機嫌だった。 ・・・・・・野生児の誇りにかけても、私は失くしたものを必ずとりもどしてみせよう。
白崎海岸の海に、そう誓ってきた。
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