お友達のお宅で。 れおが私のもとへ一枚の紙を持ってきた。「これなぁに?」
友人が説明してくれたがその用紙には、蓋が取れてしまったペンをしばらく用紙の上に放置してしまったが為に、青インクが漏れて丸いシミが出来ていた。
さて、何と聞かれてどう説明しようかと思っているとれおがひとこと。 「あおいたいよう?」
なるほど。 たしかに太陽のように丸い形、しかもなんせインクが染み出ているわけなので捉えどころのないような丸い形をしている。 しかしそれを青い太陽ととらえる発想の自由。
ふと、思い出した。 自分が幼稚園の時、お絵描きの時間にお日様の絵を思いっきり赤いクレヨンで書いたところ、隣の子は黄色いクレヨンでお日様の絵を書いていた。 ・・・あれ?お日様って本当は何色だっけ? その日の帰り、まぶしいのを我慢してお日様を見てみた。 赤でも黄色でもなかった。その時の私に目に映ったお日様に色はなかった。 いや、正確に言うならまぶしすぎて何色か見えなかった。 なぜ、私はお日様は赤いと思っていたんだろう。隣の子はなぜ黄色いお日様を書いたんだろう。 その日以来、私はお日様の絵を描くときの色をとても悩んだ事を覚えている。
れおにとっては青い丸は太陽に見えるらしい。 もしかしたら、本当にお日様は青いのかも知れない。
れおの気持ちを大切にしてあげたい、と思った一言でした。
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