愛より淡く
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秋というのは、なんとなくものさみしくて、いつのまにか苦手な季節になってしまっていたけど。
今年はそれほど苦手でもなくなっていた。
むしろ、なんて爽やかで清々しいのだろう、秋!
と、秋のよさについて、今さらながらに再発見したという感じ。
このへんは、秋祭りのようで、今、遠くから祭囃子と、太鼓をたたく音が聞こえる。
お祭りというのは、よいものだなあ。
ずっとずっと昔は、お祭りになると、着物を着せてもらってお参りに行ったものだ。
私は、りんご飴が好きだったので、いつもリンゴ飴を買ってもらった。
そういえば、昔から、りんごが大好きだった。
りんごの季節になると、一日に必ず一個、夕暮れ時に、りんごをまるごといただく。という習慣があった。
いつも自分の部屋で夕陽を眺めながらりんごを食し、センチメンタルな気分に浸って涙する。ということを、日課にしていたのだ。
日課というよりは、儀式に近かったかもしれない。
なつかしいなあ。
私の部屋は西日がきつかったので、夕陽といえども、かなりまぶしかった。
りんごを一口かじるたびに、夕陽が沈んでいくのを感じるのは、それだけでものすごく感傷的だった。
しかも、季節は、秋。
もうね、りんごをかじるだけで、条件反射的に涙がにじんできたものだ。
ひんやりシャリシャリとした、りんごのあの食感と酸味に、よけい涙をそそられたものだ。
ああ、あの、ここちよき、センチメンタルな日々よ、もう一度!!
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