甘い煙
頭出し巻戻し早送り


2016年06月28日(火) 1か月ぶりに

今朝は雨。
いつもの電車に乗って会社に向かう。
電車は普段よりも混んでいて、始発の駅や途中の駅で時々少し長めに停車しながら進んでいた。

会社のある駅に着いて、降車の列が動くのを待っていたとき、左側の二の腕を軽くとんとんとされた。
ん?とそちらを向くと、
あのひとが、
いた。

いたの。


ごくごく微かな笑みを含んだような、無表情に近いような顔で。
目線がばちっとかみ合った。

「おかえりなさい!」と、いちばん最初に言いたかった言葉を言えた。
自分がどんな表情をしていたか覚えていないけれど、嬉しさはダイレクトに伝わったかな。

話をしながら、エレベーターに乗って、ロッカー室に向かう。
いまの私にとってはいっぱい話せたけれど、もっとたくさん話したいよ。
ものすごく限られた時間だと思うと、つい喋ったり質問したりしてしまうから、もっと彼のペースも感じながら言葉を交わしたい。

嬉しくて嬉しくて幸せで、緩む頬を引き締めるのが一日中大変だった。
だって嬉しすぎる。あのひとが私に気づいてあのひとから話しかけてくれたんだよ。
嬉しい。好きがあふれそう。口をついて出てしまいそう。

いつもは自転車のあのひとも、雨の日は電車かな、同じ電車になることもあったりするのかな、と考えたことはあった。
でも、あまり現実味を持たせずに夢想していたし、いつ戻ってくるかわからないので「きっと今日戻ってくる!」という期待はうっすらに止めておいているときだった。

嬉しい。幸せ。
あのひとが行動してくれたから、私も頑張る。






毎朝雨でもいいな。



亜子 |MAIL