甘い煙
頭出し巻戻し早送り


2016年05月03日(火) 燻り

あの子のこと、やっぱり好きだったなぁと思う。
過去形で言えるかな。わかんない。半々?

いくつか、ここに行こうあそこに行こうこれしよう、って約束していたことがあったのに、全部できなくなってしまった。
全部、したかったんだけどな。あの子と。
でも、ひとつ実現するごとに、言うつらさが、重さが、ずんと増してしまうのがこわくて。
遊びに行きたかったし、先に進みたかったし、笑顔を見たかったし、嬉しいとか楽しいとかいっぱい感じて欲しかった。もっと幸せをあげたかったな。幸せな時間を一緒に過ごしたかったな。甘くてべったべたなふたりになりたかったな。

はぁ。

でも、 この子とは長くやっていけないからつきあわない、と判断したのは私だ。
あんなに近づきたかったのに、よく何もせずにごめんなさいを言って離れられたな。
今でも近づきたい。
でもたぶん、それと同じくらい、ダメだと思っている。

最後にプライベートで会ったとき、おしゃれしてきてくれたな。仕事のときもきちんとした格好なのに、それに輪をかけて、おしゃれを。

好きなところもいっぱいあった。

まだ、望めば手に入る。
だけど、戻ったら泥沼だ。
がんばって断ち切ったんだから、つながりを戻そうとしちゃだめだ。

早く新しい好きな人にうかれたいな。
でも、この子のことは、しばらく心に残るかな。
しこりとして。と、もっと一緒にいたかったな、と不完全燃焼な燻りの残る相手として。

勝手だね。


亜子 |MAIL