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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2008年11月15日(土)
弾けろトマホーク!


以前触れていた話なのですが、最近バナナフィッシュを開かずの間から救出したので斜め読みしていたら、前述の日に言いたかった事がなんかより具体的に浮かんできたので焼き直し。つまりお前は纏まらないまま前の日記に適当に打ったんだなという事でファイナルアンサー?

バナナフィッシュのレイプが、世に多く氾濫する陵辱ものとも、クッキー辺りの漫画やさもなくばケータイ小説でお馴染みのようなお涙頂戴嗚呼はい可哀想とも違うのは、それがリアリティを持っているから、だろうか。作中では、実際には肝心なシーンは描かれていない。されたという報告や形跡のみといってもいい。
前者の陵辱ものなら甚振られているというその瞬間こそがメインなのだから見せ所が先ず違いますし、ややトゲのある言い方だった後者は、極端な美化か悲劇化がちょっといらっと来る時が、あるんですよ。BLなんかもそうですが肉体の喜びは精神に比例すると思うんだよな、ぶっちゃけ気持ちいいから受け入れてしまうってさかってるだけじゃね?w と。
或いはヒーローが助けてくれるという前提に基き、ここまでならいいだろうと胸を揉みしだかせるとか、ちょっと手を付ける事によって溢れる悲鳴と涙が情感をそそるとか、そういう脚色でもなく。
そう、助かるからこその「引き」が無い故非常に淡白。だから妙にくどくなく、おかしさを除去したリアリティだけが純粋に、しかし渾然としている。
で、後者の、特にケータイ小説なんかではこれでもかこれでもか心の傷としていて、いやそりゃそうなんでしょうが、どうもこの分野の心の傷の書き方とか表し方とかスポットとか好みじゃないんだよな。それを理由にリスカしてみたり薬に溺れてみたり、とその後の転落が仕方が無いと思わせる為のシステムでしか無いように見えてくる。
或いは描いときゃ同情票集まっていいだろという、まぁでもそんなの他のだって数多ありますがね。ちょっとポロリがあればぐんと上がる指数とか、そんな感じで入れている時もあるんだろう。
なんだか批判に走りがちですが本題に戻って、アッシュにとっては最終的に喜びに昇華するものではなく、また行為そのものもトラウマだけれど我の主張を認めようとせず屈服させようという心がまた気に入らなくて、する側も屈折した愛故にという人もいればどうしてもそそる魅力という魔性もあり、あくまでダメージを与える手段という場合もあったりと、ワンパターンじゃないと言うか、人の心は同一ではないという感じが、現実味なのかなと。
無節操なファンタジーだってすきなんですけどね。現実指向なら、或いはファンタジーだからこそ、求められるリアルというのはあると思うのです。その度合いは、好みという事ですが。
だから変にもうやだ見たくないと気分を害する事も、おぉよちよちの慰めも、人気出す為のテンプレですねわかりますでも、無いと思えるのかなと。


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