原初

羅列 回帰



―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2007年10月28日(日)
オフな日のレポゥツ芸術のアキ編。


と言って別の何かがある訳ではありませんこの世の全てはフィーリング!(テンションたけーな)
ブギウギ刻みたい程素敵な(分かりませんその説明)同伴者、寧ろ引っ付かせて頂いたのは同胞の空穂蓮人さん。
オンから素晴らしい御方ですが何が一番かって、ろりぃたファッションでお出迎えして下さったんです!!
自分には似合わないランキング堂々の第一位を飾っておりますが、見るのは楽しいランキングでも同率一位であります。緩やかな長髪や添えられた青い花と共にすっかり着こなしていらしたのが素敵過ぎる!!

さてワタクシ毎回遅刻魔として名を馳せておりますが(汚名と言うんだそういうのは)今回も例に漏れず全うしました。
違っ! 違うんだ!!
今回こそはと三十分前行動で、集合時間前に楽勝で駅に辿り着いたのはいいんですが下車前に、今回の目玉である場所へのチケットを忘れている事に気付いて逆走した始末です。
改札出る前だったのでうんたらかんたら説明して切符はオッケイでしたが、横浜駅が幾ら近いといえど往復していたら流石に時間オーバー。
お前馬鹿なんじゃねぇの! ケータイよーし、財布よーし、あれだけ確認したのに何故大切なもの程忘れてしまうのか。それは、人の心というものに問題があるのやもしれません(馬鹿言ってんじゃないよ)。
十五分弱遅れつつ辿り着いた、自分の中での待ち合わせの定番西口交番には、既にらぶりぃファッションのお方がいらっしゃいました。二人。
……二人!? 明日はどっちだ!!
一人はエレガントなどピンク、一人は青と白の控えめお嬢様、前以て聞いていた話では風味という事でしたのでドストレートじゃない方かしら、それでも電話を掛けて間違い防止。交番の小父さんと仲良く話しこんでいらしたレントさんが振り返れば奴がいた!! 己はモンスターか。風味ってドラクエ風味なのか。さくっと行きましょうさくっと。
そんな感じで最早恒例に近い遅刻を謝罪しつつ、一路箱根へ。
そうそう、今回のメインは箱根のラリック美術館。自分は予々美術館に、行きたいけど行けない症候群を発しており、それは宛らウソップが新大陸上陸の際に島に入ってはいけない病を発生するようなそういう類いですが(ちょっと違うんじゃないか)、ラリックさんすきですし、レントさんが来横(=来たる横浜)されると言う事ですし、行くしか無いべと御同伴させて頂いた次第なのでした。
若しや一人でゆっくりと御遊覧なされたかったのではと思い至った頃にはすっかり御一緒にv メールを出した後と言うあれでしたが快諾頂けたお優しさにほろりです。

県内という事で甘く見ていた箱根ですが、電車で一時間、目的地には更にバスで一時間と中々の旅っぷりで、しかし話に花咲かせる若い二人にはなんのその! それよりその表現はどうにかならないのか。
気になったものはじっくり見る性質なので美術館は性に合いました。前以て、観賞時間は人其々だから巡るのは個人個人にしようと提案して頂いたのも得策で、自分のペースに付き合わせたら長い長い、かと言って折角の初体験なのですから妥協なんて勿体無い。流石レントさん観賞のプロです。
以下少し感想。柔軟や柔和、野趣が強いイメージを受けるラリックさんの作品群の中で、ぐっと惹かれたのは戦いをモチーフにしたものやドラゴンといった、若干攻撃性に溢るる類いだったのはあれかそこでまで天邪鬼精神か。だったら笑ってしまいますが、蛇の鋭い顔付きと牙、蝙蝠の櫛など迫力を伴ったものが、カコイイ。
ただ矢張り一番目を奪われてしまうのはなんと言っても女性の描写です。裸婦像やステンドグラスは勿論の事、種々作品へ組み込まれた数の多さから好んでいたのでしょうか、あの肉感となめらかな線、一部の髪の蠢きそうな細やかさ、今風の縦に長い感じではなくどっしりと、存在感のある。そそられます。
本当に真面目に凝視して、いっそスケッチしたかったくらいです。駄目かしら(駄目だろう)。ミュシャの画く女性がすきな自分としては納得な気がするんですがどうでしょう(個性の強い芸術家を同列視するのはどうかと思いますが系列或いは比較として)。

で、美術館入口で誘われるがまま予約したオリエント急行でのお茶会という催し。ナンデスカソレ状態の自分に受付のお姉さんとレントさんが同時に説明の為口を開いたのが中々ナイスです。
そうかそんな一般常識か……
同じく無学な諸君の為触りを述べると(何故偉そうなのか)、数年前まで現役で走っていた長旅用の列車だそうで、寝台車では無いんですが寛げるよう様々な空間のセッティングされた至れり尽くせり、給仕車両であるとかバー車両であるとかそれはもう贅沢な目的で区切られた、高貴な洋を画く漫画とかでチラッと出てくるあれな感じです。最後は漫画に頼ったよこいつ。
内装をラリックさんが手掛けたそうで、軽い紹介のVTRの後実際中に入ってみると豪奢な造りの中になるほろ美しくマッチした、全部で八つ絵柄のあるガラスのレリーフが点在していて、うっかり見逃しそうな差異が和みます。
お茶にお茶菓子を揃え寛げ! というお茶会(だいぶ語弊あるぞだいぶ)、ちょっとお高いですが(気分をぶち壊すなよ)優雅な気分は一度は体験してもよいやも。
小腹が空いたので併設された喫茶でお食事しつつ道中ずっと喋りっ放しであったというのにまだまだ足りんと言わんばかりぴーちくぱーちく。ぴーちくぱーちくは自分の話です。
勿論のヲタトークから他濃密な会話に満足しつつ、このお茶会の予約の為一旦中断していた美術館へ再入場。当日中は何度でも入館出来ると言うのは、ささやかですが有難いですね。

相変わらず舐めるように見つつお土産の値段に目玉飛び出しつつ(だから何ゆえ雰囲気をぶち壊すのかそこの庶民)すっかり閉園まで入り浸ってしまいました。早めに出たつもりだったのですが。到着午前中よ。
山は暗くなるのが早く、ガラスの森なども是非足を伸ばしたかったのですが身の安全の為(え)、守衛さんにバス停を聞きつつ帰路。
そんな簡単だったら話は早いのですがラッシュに巻き込まれたのやら大渋滞。行きも下りは混んでいたのですが泊り客と日帰り客の違いがあるのやも。何せ一区間移動するのに何十分掛かるのやら。笑っちまうぜベイベ。これはガラスの森行かなくて正解だったやもしれません。
なんとか辿り着いた電車内では北斗の拳と地球へ…の粗筋を教えて頂いたり、テラはアニメ録ってあるので兎も角として予想外の北斗の拳の面白さにうっかり読みたくなってしまいます。やべー、蝶気になる!!

横浜へ着いた頃には、予定に組んでいた中華街とみなとみらいどちらかしか行けないんじゃないかとそこまで時間が押し迫り、外人街という事も相俟って無闇に恐ろしげなイメージを懐いてしまう前者よりはカップル達の浮かれたムードに混じろうかと寂れたコスモワールドの巨大観覧車へ。毎回寂れた言いますが若しかしなくとも失礼なんじゃなかろうか(当たり前田のクラッカー)。
折角の機会だから初体験その二、予々気になっていたエドガー博士の研究所(アトラクションの一つ)(気になったのは矢張り某国の王子と同名なところです)(わ)にもお付き合い頂いて、人間恐れるのは矢張り、闇と迷路と、突然と音だと思いました。芸人さんはいつもこんな恐怖に晒されているのだ。
プシュァッ! って吃驚するやん!!
最後に恐怖度診断が出来る手筈なのですが、舐めてかかっていたくせに楽しんで騒いでいた割に、全くの普通だなとおこらりてしまいました。中間レベルでそれなのですから、全然怖くなかったと診断された人はどんなコメント頂けるんでしょうか蝶気になる。ちなみにレントさんには勝ちました。平静人たいらのしずかと呼んで下さい。うわぁいやw
舐めてかかったら大変というのはこの後こそ本命であり、華のコスモクロックはカップルカップル又カップルの波でした。長蛇の列に気付く前に払い戻し不可のチケットを買ってしまった我々はぽかーんとしながらもべしゃってりゃすぐだべと引き攣りながら並んでみました。夜なのに人がいないなと、一人もいないなんて愈々やばいなと、何処を見て言っていたんだおれったら。
カップルカップル何処までもカップルの中若干浮きつつも、寧ろどのように見えるか楽しみつつ夜景の中に溶け込んでは、観覧車内でもやっぱり喋り倒します。
再び食事を目当てに街をふら付くと、軒並み22時閉店が相次いでいて、なんでそんな早く閉まるん!? 何処へ行っても拒絶されて挙動不審になっていく自分にこんなもんだとレントさんが慰めて下さいますが、みっともないぐらい取り乱していました。馬鹿にしていたファストフードさえどんどん閉じていく。24時間でねぇのかよ!
最終的にはバーミヤンに落ち付きました。お前わざわざ横浜まで来た人にチェーン店の中華かよorz
駅前の居酒屋に行ってもよかったのですが翌日一応早朝からいつも通りに仕事を控えている自分を案じて柔らかくもレントさんが誘惑を断ち切るのでお姉様! 崇めつつ、濃厚な一日デートは幕を閉じます。
発つは明日の朝、まだ仕事中の時間帯だという事でお見送りは諦めましたが、せめて今日お泊りのホテルへと延長を申し出てみればあんた駅に帰ってこれなくなるやろとこれまたお姉様!
一日中方向音痴っぷりに振り回されていれば誰でもそう言いますて。

しかし、帰ってから大変重大な事実に気付かざるを得ませんでした。ワタクシ、チケットの他にも大切なものを忘れていたのです。盗まれたのならばあなたの心ですとか言いますがカリオストロ!
ス、スケブ、スケブ書いて貰うの忘れた……!! いやまぁほら持ってく時点で忘れていますが。
おーまーえーはーあーほーかー! 腹から声出して叱ってやって下さい。
スムーズでは無い旅路でしたが、大変楽しませて頂きました。懲りていなければ又いつかお付き合いさせて頂きたいと言う願いは兎も角、今暫くは疲れを(主に自分に振り回された)癒す為御自愛下さいませv

最後に私信をば。いつぞや日記で仰っていたもちもちの木読んだ事あります。同じ作者の本を一冊持っていて(教科書に載っていた方と持っていた方どっちがどうかは忘れましたが)まぁやたらと印象に残っています。ちょっと怖い感じの絵だからでしょうか。
真面目に私信で終わらせようとしてるよこいつ!!


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