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―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰

2007年09月15日(土)
はじめました、ではなく。


名探偵エヴァンゲリオンやってます。ました?
そもそもゲーム屋で見かけた時に乙型が気になって気になって気になって気になって。カヲル君専用機が遂に!? なんて。
その時は買いませんでしたがネットでカヲル君Tシャツを買う際についでだからと購入してみました。すごいやゲーム買うなんて何年ぶりだろう。
ちなみに一緒にシンジ育成計画という名の二週目以降のカヲル君目当てを買ったのは内緒です。おまっ、ほんとどれだけ盲目なの。

やっていて、原作と同じ場所にほくそ笑んだり違う展開になってもギャップに笑ったりしたんですが、初めから忠実に追っていく訳ではない事と、エヴァである事がそういう余裕を生んでいるのかなとも。繰り返しと可能性とそれによる差異の物語だと解釈しているので。
故にバラエティ豊かな死徒も中々楽しめた口ですが、人類補完計画に迫る際に自分がネットで拾ったような細かな事実への言及があって、色々やってみるものかもしれません。
但し本編に関しては直球ど真ん中、どストレートに謎解いていったのでここんところにあそこんとこにも遊び心があるんじゃないのかと感じたのはクリア後特典のイベントシーンアルバムに二枚程絵が足りない時でした。最後にちょっと寄り道した際の絵が収まっている事から気がつけた訳ですいがったいがった。
収集家でも無いけれど(嘘吐け)結構コンプしないと気が済まない性質なので勿論二週目に勤しみます。予告も見たいですし。
そう、予告ですよ。一度クリアして内容を知ってから予告を出すとか、ニクイですね。それ見たさにやりたくなっちゃう。
ただねぇ。一つだけどうしても唸る点はといえば。ネタバレなので反転。

恒例とも言えるカヲルの裏切り、今回は序盤から出て来てしっかりシンジとも交流しつつ彼方此方匂わす台詞が富んでいたので十中八九そうなるんだろうなとは思いつつ、今回のシンジはなんと握殺しないんです。
その時にふと、そういう可能性も勿論あるんだと。あの場でシンジがカヲル君を殺したのは口車に乗せられつつ(漫画だとそんな感じ)確かに好意を以てでした。
しかしだからこそそれを否定する事も又然り。そういう結末もあるんじゃないかとうっかり期待したんです。
結果としてはカヲル君最後にして唯一の自由意志は叶えられた訳ですが、なんだろう、一度そうではない可能性を感じてしまった分、より口惜しく感じる。
カヲルの意思と、シンジの行動が、がっちり噛み合うだけが道で無いのだと知ってしまったからこそ、余計に胸が痛くなる。
個人的にカヲル君騒動の後数日で笑顔復帰しているシンジもどうかな、なんて。完全にやっかみです。
このゲームの中の彼は他の人とも、父親とも、寧ろ事件があったからこそ体当たりになれた面もあって、その深くなった部分が早々の笑顔だというのなら、いいけど、いいけどさ。


取り敢えずミサトさんが悪女に転がって行っているところが、一番強く可能性をひしひしと、感じたりもした場面でした。


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