
戯 言ノ源
―― 連ねた意味も、持てない小鳥。
氷室火 生来
回帰
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| 2007年05月11日(金) ■ |
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| バナナフィッシュに最適な日なんて無い。 |
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さぁてそんな感じで(一体何からの続きのつもりなのか)BANANAFISH読了記念に文句の一つでも言ってやります。文句とか言った! ぱなから文句とか言いやがったよ! 年代ものなので特に伏せない感想です。言い直しました感想です。任意でどうぞ。
まぁにわかといえどファンならば一度は言っておかねばならない。嗚呼、アッシュ……っっ!! 何処かで、決定的なものがないからやっぱりひょっこり戻ってきそうだなんて思いつつ、アナザーストーリーの完膚なきまでの後日談に、本当に彼はもういないのだと。 ファンエッセイで衝撃の事実を知ったのが何より大きいですが、でなくとも序盤から、これは彼の死に場所を探す物語のような気も、何処かではしたんだ。 但しそれは漫画としての立場という邪推からで、例えばどれだけの理由があろうとも、許されるだけの真実があろうとも、少なくとも現実世界に即した物語である以上は、主人公が自らの目的の為人を殺すのならば、なんらか裁かれなければならないと。 必ずしも、とは言わない。そして形が死のみな訳でも。シティーハンターとかは生きているし、生きているバージョンだって全然いいし、というかほら、どちらかと言えばやはり生きていて欲しかった派なので。 でも、ダウンタウンから這い上がって自由を手にしたいと叫ぶ様は、決して死に逃げたいという意味ではなく、けれど死に向かっているのだろうと、読み手に妙な植え付けが行なわれているんじゃないかと。 因果応報、自分達のいる世界を理解しているからこそ銃で打ち合い刃物で切り裂き合い肉弾戦を繰り広げる。相手を倒す為であり、倒したのならば、更なる強者が立ち塞がる連鎖の中にあって、彼の求め続けた夢は、多分初めから無いもの。 実態が無いという意味でもそうだけど、自由なんて心次第、彼がヘッドであった時点である程度の自由はあった。さりとて踊らされる掌から未だ抜け出せず足掻き、過去からして支配する者を倒さねばいけないと彼が誓う以上、アッシュは自由ではなかった。 その心に、余裕を、ゆとりを、楽しみやぬくもり、肉体のみそれも辛辣なパターンしか知らない彼にとって別世界のような精神的繋がり、信頼や愛情が与えられ、休まるひと時があるのなら、多分それは少しだけ自由になったという事。
アッシュは同性同士の方が子孫を育むという道から逸れ本当の愛情だという説を笑い飛ばした。同性だからこそ虐げ配下に置き弱者に仕立て上げたいのだと。彼の数々の相手がそうだっただけとも言えるし、つまりアッシュにとっての真実であったと。 アッシュが英二に語っていた初めてすきになった子は、どんな感じなんだろう。傷付けられている彼が見つけ、惹かれた存在がふと気に掛かる。そしてなんとなく、初恋を与えてくれた事を、お礼でも述べたい気分。いや別に初恋が作中だったとてもいいのは全然いいんですが。
ショーターが結構すきでした。但し髪型は白とか月龍ね勿論! いや二人も髪型だけではなく全然すきですお。他のみんなも味があって素敵です。 しかしショーターの死であろうと誰の終わりであろうと、一つのあるべき事として捉えられた心が、アッシュの最期だけは、なんだか、どっちつかずであって欲しいと。 彼が心を許した英二の手紙だからこそ、隙が出来たのはとても判る。シンの兄として、ラオの行動も判る。それでいて、アッシュだからこそ、復活するんじゃないかと。多人数は初期装備が如く勿論の事、軍隊まで相手にしたのだから。技術では負けようとも白だって傍にいたんだ。 なんだか、どのようにも帰ってきそうな気がする。 それでも陳腐なナイフ一本で、たった一人の元仲間に、仲間というと微妙ではあるが、やられてしまうのも、大変らしいといえばらしい。目覚ましき活躍を続けたアッシュだからこそ、そこで終わるのが、また絵になるのだ。アッシュにだからこそ言える賛美ですがこれは。
それに、ショーターの死をきっかけに変わったのは事実なんだと思う。彼はそれまで規律を乱した者にも制裁は加えたけれど命を奪う事は無かった。自身を狙う敵は別として、必要以上の死者は望まなかった。そしてオーサーを追い詰める作戦として計画的に、無関係では無いけれど果たしてこれまでの手法であれば考えられない程の殲滅に出たのだ。 この頃から、正確に言えばもう少し前辺りからだけど、タッチが変わってきている。ファンエッセイの中には、序盤は入り込み易いように濃い目で強い線を、そしてショーター事件以後の精神を追っていく段になってからは少女漫画チックに変えた、巧みさを讃える一文もある。それが全てかどうかは別にしても、成る程と納得出来、それだけアッシュにとってもショーターが大切な友人だったのなら、意外にも早々舞台から降りていったショーターも、少しは救われるのかなとか。 まぁ手を変え品を変えというか形を変えて再度登場はしますがね(爽)。
それと、それとも前述とは違う酬いなのかもしれない可能性。これまでも何度かそういう危機や場面は有り、その度絆を深めていったアッシュと英二。けれど英二の未来を思うからこそ、今度こそ本当に、アッシュと英二は別れた。少なくとも、アッシュの中では、胸の中だけで祈ると、決めていたのだ。 それでも、受け取ってしまった手紙。チケットと、ただの手紙。忘れる訳じゃない。でも、傍にはいられない。それだけの決意を、英二の言葉によって又、揺らがすのだ。 自分で書いていて、癒しや支えであった英二と離れた事に対する罰なのか、それともすぐにでもその誓いを破ってしまいたい事への罰なのか。ただ、傍にいたのなら、腑抜けていても守る為、戦えるだろう。尤も守れなかった事も起因して英二の帰国はあるのだけれど。 言葉だけ。想いだけ。いないのにすぐ隣にいてくれるよな、感覚。包み込んでくれる、存在。無償で愛し、存在を許してくれる。空気に投影して耽っていたからこそ、やられちゃったんかなとか。
わがままとして、生きていて欲しかったと思う。わがままに、生きていて欲しかったと思う。 だけど生きて続編出されたら、嬉しさとその他微妙な気持ち入り乱れ複雑なんだろう。 心の中で生きているなんて、嘘だよ。確かにアッシュは愛する英二を思いながら、すきだった図書館で、絶命したんだ。これは、事実として持っていたいんだ。 でもわがままだから、生きていて欲しかったんだ。英二を遠くに追いやりながら、やっとパパの手を離れた山猫に、仲間達と共に、あの街で。
とか言いながら温泉には是非入れてやりたいとか思うけどw
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