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| 2004年01月16日(金) |
入院して初めての面談があった。そこで初めて、Ｍ先生がこの病棟の担当医だと知った。
ということは、彼は毎日必ず多少なりともここに来るわけで、もし至急伝えたいことができても、以前の入院時のように３日間の待ちぼうけなどは食らわせられずにすむわけだ。
そう思うと、不意に身体の力が抜けた。この二日間とても緊張していて辛かったから、自分達の気持ちの変化が嬉しかった。
リラックスできるとまではまだいかないが、いい意味であきらめがついた気がする。
あと何週間ここにいなくてはならないのかは分からないが、とりあえず人格全員が「入院を受け入れ」たことになり、Ｍ先生が用意してくださった契約書にサインをいれられた。
実は、このサインをいれたのは、ＯＤから立ち直る際に８歳から９歳に成長し、もはや立派に主人格の片腕を務めてくれているＫ�，澄Ｈ狃�はとても誇らしげに何度も自分の書いた文字を指でなぞっていた。
アタシも彼女が元気なことがとても嬉しかった。
Ｋ�，�元気な理由は、母と妹、Ｓが会いに来てくれたこともある。ほんの２日会わなかっただけなのに、入院時の記憶がもうあやふやな私たちにとっては、待ちに待った面会だった。いつもありがとう、と思う（Ｓとは、アタシが個人的にちょっと諍いをおこしてしまった。後であやまろう）
出来れば外泊許可をとりたかったが、さすがに入院３日目では無理だった。来週に期待しよう。
脳のＣＴと脳波の検査があった。脳波ではＳ病院時代にかなり嫌な思い出があるのでパニックをおこしかけたところ、MNという女性人格がきて助けてくれた。確たる人格ではなくかけらのようだが、Ｍ先生にはとても評価された。
「そうやって、互いが互いを助け合う人格システムが確立されれば、ＤＩＤはサバイバーの生きる手段として何の問題もなくなる」と。
全くそのとおりで、私たちが９年間をかけて目指しているのもそこなのだ。人格の数や特異性がＤＩＤの問題なのではない。
アタシは単なる一患者の一人格に過ぎないが、全てのＤＩＤ患者がいつか「互いが互いを助け合う」道に到達出来ればいいと心から願っている。
