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2007年08月30日(木) 夢をみる

 明け方、夢を見た。

 実際には、どんな内容かハッキリとは思い出せないので、たぶん見たのだと思う。・・・というのは、起きた瞬間から、甘くて切ない空気のような感覚が身体全体をつつんでいたからだ。

 このなつかしい、甘やかな感じは、「恋」だと思った。誰かに恋をしている夢を見ていたのだ、と。しかし、夢の中の「恋」の相手は誰だったのかまったく思い出せない。

 残り香のようにほのかにまとわりついている甘い感覚から、なんとか相手をつきとめようと努力してみたが、皆目わからない。ただ、こんなになつかしいのだから、学生時代の、それも高校生の頃の同級生か(その頃わたしには一学年下に好きな男の子がいたが、彼ではなかった)、もしくは、まだ現世では邂逅していない、前世かなにかで恋をした相手だったのかも知れない。

 甘やかな感じはお昼過ぎまでつづいた。

 アイスコーヒーを淹れて、何杯か飲んだところでその感覚はほとんど消えてしまった。

 消えてしまうと、ふだんどおりの生活はしごく現実的でどこか淋しくもある。「そうそう、恋に堕ちるって、あんな感じだよなー」と、消えてしまった甘い感覚をもう一度取り戻して、反芻してみたい気持ちになった。

 夢を見た原因は、ここのところ立て続けに読んだ何冊かの恋愛小説だったのかも知れない。ふだん女流作家の小説を読むことが多いわたしが、最近読んだのは男性作家の小説だった。女流小説ほどの細かい心理描写はないものの、男性が書いた女性を主人公にしたそれらの小説は、わたしにとってかなり新鮮で、刺激的だったのだ(ものすごい純愛小説だったのだけど)。

 うーん、潜在意識にまで流れ込むような、そんな秀逸な本だったのか。たしかに有名な文学賞を受賞した作家の本ではあったのだが・・・。

 その小説の著者は、小学校時代の同級生と同姓同名だった。

 

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夏音 |MAILMy追加