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2004年10月05日(火) 「馬と猟犬」

 きょうの音楽はヘンデルの管弦楽組曲「水上の音楽」です。

書く仕事に限らずにいえば全く収入がないわけでもないので、その関係で火曜日は更新できないことが多いため、早めに更新。

昨日の日記に書いた映画『ノッティングヒルの恋人』に出てきた雑誌は『HORSE and RIDER』ではなくて『HORSE and HOUND(馬と猟犬)』でした。どうも都合のいいように記憶ちがいしていたみたいです。訂正してお詫びします。

これだけではなんなので…

大好きな詩を一篇どうぞ。
昨日の「林檎の香」の詩と読みくらべてもおもしろい詩です。


- * -


   「心のなかで」

 陽を受けた果実が熟されてゆくやうに
 心のなかで人生が熟されてくれるといい。
 さうして街かどをゆく人達の
 花のやうな姿が
 それぞれの屋根の下に折り込まれる
 人生のからくりと祝福とが
 一つ残らず正しく読み取れてくれるといい。
 さうして今まで微かだつたものの形が
 教会の塔のやうに
 空を切つてはつきり見えてくれるといい。
 さうして淀んでゐた繰り言が
 歌のやうに明るく
 金のやうに重たくなつてくれるといい。

        /野村英夫



 ☆野村英夫は1917(大正6)年東京生まれ。
  早稲田大仏法科に学び、毎年夏は病気療養のため
  軽井沢(追分)で過ごします。
  立原道造や堀辰雄に師事した「四季」派の詩人。
  立原の死後、『立原道造全集』の編集に参加。
  昭和21年に小詩集『司祭館』を発刊。
  昭和23年、30歳。フランスを愛した詩人は
  静かに世を去りました。
  
  

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夏音 |MAILMy追加