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2004年09月15日(水) この場所

この場所をほったらかしにしてあった間に「日々雑感」のページは自然消滅してしまった。

何事も準備の悪いわたしのことだから、バックアップもとっていなくて、「ちょっと惜しかったなあ」と思ってみたところで今更どうしようもない。思い入れの強いサイトだったけれど、消えてしまうとかえって潔い気さえしてくるから不思議。また新たな日々を綴っていけばいいということだろう。

涼やかに晴れたきょうは、頼まれていた油絵の6号キャンバスを買いに隣町まで出かけてみた。あいにく目的の画材屋さんは定休日。こんなところも準備が悪い。トホホ。

仕方がないので、週末にある小さな出版社のパーティに着ていくための服をさがす。一昨日、友人のI女史からお誘いがあったのだ。しばらくこういうことから遠ざかっていたので、そんな場所へ着ていく服がない。毎日なにげなく過ぎていくようで、実はそれなりにいそがしくもあった。もちろん仕事をしていた頃にくらべれば、はるかに限りなく時間はあるのだが。

ショウウインドウに並んだディティールにまで凝ったデザインの美しいシャツに惹かれて初めての店に入ると、店員さんがそれはそれは丁寧に応対してくれる。彼女は今しっかりと自分の仕事をしているのだ。すすめられて、わたしにしてはフェミニンなカシュクールのブラウスとパールを花のようにあしらったブローチを選ぶ。そしてきれいに包装された服を受け取り、笑顔で会釈して店を出る。

わたしは仕事をしている人が好きだ。だから仕事をしている人たちとずっと触れ合っていきたい。そんなとき、仕事をしていないわたしは独りだけどこか別な場所にとり遺されているような気持ちになる。そんな自分がどうしようもなく恥ずかしくもなる。そして、この恥ずかしさを忘れないようにしよう、と思う。

いつかこの場所にもどれるまで、忘れないようにしよう。
  
  

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夏音 |MAILMy追加