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2001年05月22日(火) "ゆかた"考

 5月だというのに蒸し暑い日が続いている。

 停滞している低気圧と前線は梅雨時を思わせる。
こんな日は"ゆかた"が着たくなる。
着物は苦手だけれど、"ゆかた"は子供のころから大好きだ。

初めて作ってもらった"ゆかた"は、白地に赤とピンクの金魚模様。
小さいわたしは自分が動くと一緒に動く、袖やすその金魚を飽きずに見ていた。
ピンク地にボカシのある子供用の帯を
腰のところでリボンのように結んでもらって、
その大きなリボンを鏡に映し、ふんわり揺らして遊んだりした。

中学の頃は少し大人びて、紺地に向日葵の模様のもの。
向日葵は白抜きしたところを波紋のように五色のグラデーションで染めてあった。
この時の帯は、向日葵の五色の中の一色、黄色。

いちばん最近(と言っても5年前)仕立てたものは、
深い緑に藍色の和風の花と葉を全体に描いた鮮やかな柄で、
これは大人の女たちには、すこぶる評判がいい。
帯は鮮やかな朱。

赤い鼻緒の下駄を履いて、小さな巾着を手に、背筋をピンと伸ばす。
水打ちした道をカラコロと軽やかな音をたてて歩く。

でも、今着たいのは、そんなよそ行きの"ゆかた"じゃない。

部屋でゆったりとくつろげて、風呂上がりにもはおれる浴衣が欲しい。
白地に藍の桔梗柄で、肌ざわりがいい薄い浴衣。

そうそう、温泉旅館で着るような、あのしなやかな浴衣が今欲しい。




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夏音 |MAILMy追加