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2002年04月22日(月)   東儀秀樹 ★★★

きのうはラーメンズの東京公演の千秋楽だったのだが

わたしはわけあって行かれなかった。

そのわけというのが

東儀秀樹なのだ。

わたしは彼のコンサートのチケットを早々と購入済みで

まさかラーメンズとかぶるとは予想もしていなかったから

そりゃ慌てふためいたもんさ。

と、今だから笑って流せるくらい

東儀秀樹のコンサートはおもしろく満足いくものだった。

とは、どんなものか?

みなさんはどんなコンサートを想像しますか?

それがね、

想像以上によくしゃべるんだ。

今回はバイオリニストの古澤巌&東儀秀樹の

「午後の汀4」というコラボレーションだったのだが

特にこの古澤さんがいい味を出していた。

東儀さんはテレビなどで観る顔とおんなじ

涼しげなスマートクールで革パンだぜ、というかんじ。

古澤さんは・・・小さめでちょっと親父太りで

ずんぐりして親しみやすそうなかんじ。

(とはいえ、かなりの経歴の持ち主。すごい人なんだってば。)

それでね、ふたりで曲の解説とか

漫才みたいな会話をしていくんですよ。

いや本人たちにはそんな気ないんだろうけど

古澤さんが完璧にボケで、東儀さんがツッコミ。

しかも「(いつもはひとりでのコンサートだけど)

今日は相方がいるので不思議な気分です。」

なんて、東儀さんが言うものだから

わたしは「相方」という響きに過剰反応してしまった。

クラシックのコンサートなんて数えるほどしか経験がないけど

こんなに普通にしゃべるもんなのかしら。

ほとんど1曲ごとにトークなのです。

しかもはりきってチケット取ってしまったから

席がすごく良くて、

ラーメンズで言うところの「D列」くらいの感覚。

だから周りは一見さんなんかじゃなくて

れっきとした大ファンの奥様風な人ばかり。

そんな人たちだからもちろん東儀さんがなにか言えば

そりゃ大ウケです。

え?そんなところで笑うなんてお笑いの世界じゃ通用しないよ、

というシーンが何度もありました。






肝心の音楽は最高。

わたしは何の予備知識もなく

単に東儀さんに興味があったから

行ってしまったのだが

どの曲もどこかで聴いたことのあるような

不思議な錯覚があった。

なんとも雅楽というのはスッと心に入ってくる音楽で

特にあの「篳篥(ひちりき)」の音色は超癒し系。

古澤さんは雅楽の「龍笛(りゅうてき)」のパートを

バイオリンで演奏したり、というかんじでのコラボレート。

もとの雅楽についてよく知らないけれど

実に心地よい音色になる。

篳篥というのは穴を抑えて音を出すような笛みたいなものなんだけど、

穴を抑えても縦笛のようにドレミのドの音が出るとは限らない楽器で

ドの指でもミが出てしまうかもしれなくて

それを耳で聞きながら口で調節して音をとる楽器なんだそうだ。

それをすかさず「じゃぁその穴はなんのために空いてるんでしょうねぇ」

と古澤さんが言う。と、まぁこんなかんじだ。

だから篳篥では吹きながら音をとるから

ああいう雅楽っていっこいっこの音がのびーってかんじで

一音が長くなってしまうんだって。

それであのCMでおなじみの「There must be an angel」なんて

演奏するのはすごいことで

大げさに言えば、不可能を可能にしたってことらしい。

篳篥で早い曲を演奏するのは至難の技ということだ。

あれだけ流暢にさらっと演奏されるとさも簡単そうに見えるけど

実際はものすごい業師ってことだよね。

あと秘話(なのか?)でおもしろかったのが

東儀さんは宮内庁の職楽部に就職されて楽士だったのだけれど

楽士というのは雅楽をやる人だとばかり思っていたら

いろいろな宮中儀式などでは

生オーケストラとしてのお仕事もなさっていたそうで

チェロを演奏していたとか。

それを聞いた古澤さんが

「すごいですねー雅楽もオーケストラもやるなんて

天才の集まりなんですねー」

と言うと、

「いやそれがちゃんとできてればいいのですが・・・

そうは言い難いものが・・・」

と言いにくそうに東儀さん。

へーえ、初耳。

なんとなくけっこうひどいもんだったっぽいニュアンスだった、

宮内庁の自称オーケストラは。

今でもいろんな儀式のあの演奏してる人たちは

雅楽もこなし西洋のクラッシックもこなす

スペシャリスト(笑)なんだね。大丈夫か?宮内庁。

これは本人も言っていたけれど

あんまり報道されない事実なのだそうだ。

そんな話も交えつつ、けっこう勉強にもなるでしょう?

あっという間の2時間30分。←どこかで聞き覚えのあるフレーズ

(休憩がある!わたし的にすごい画期的なこと!)

すっかり篳篥の音色に魅せられてしまったわたしは

さっそく篳篥を買ってしまおうかしら

なんて思っていると

「今篳篥が大人気でもう一人ひとつ持っているのが

今の日本の現状であります。」なんて

いいタイミングで東儀さんが言ってくれちゃうんです。

東儀さんてこんな人だったのかー???

でもそう言う口調と振る舞いは至ってクール。

音楽も大満足だったけどトークも大満足だった。

よくよく考えてみれば特殊な楽器の演奏だから

多少の説明は必要なのかもしれないけど

古澤さんも東儀さんも非常に魅力ある人だからこそ

うまくわたしたちを楽しませてくれるんだな。

アンコールの「やさしい気持ち」と言う曲

すごくステキだった。

篳篥って体がぞくぞくくるの!

ほんとにしびれるんだよ!

最後のアンコールは東儀さんのテーマ曲

「New Asia」は力強くて気持ちよかった。

ラーメンズ行けなかったけど

こっちの満足の収穫はでっかいぞー。






ところでラーメンズを好きな人なら

雅楽にはまると思いますよ。

ラーメンズの暗転中の音楽には通じるものがあります。

それに「日本」というスタイルを上手にアレンジしながら

作品を創っていく様って、似てるような気もします。

東儀さんは舞台音楽なども手がけているので

ラーメンズとも・・・なんてないかなぁ・・・

ちょっとだけ期待もしたりしてしまいます。

おすすめです。東儀秀樹。

(ルックスには興味なし!)



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