■あんただけにそっと■

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2010年10月25日(月) 戻りました

8月23日〜10月23日まで、ぴったり2ヶ月の入院を経て、
めでたく家に戻ってきました。
急に決まった退院だったのだけど、まあなんとかかんとかなっとります。

だってさ、外泊中10年ぶりにカッターでの自傷がぶり返しての診察で、
先生「病院に居すぎたね、退院のタイミング逃したね」とか言うんだもん。
なぜかえらい慌てて「あ!じゃ!次の土曜に退院します!」なんつってしもうた。
てかよ、教えてくれよそのタイミングってやつをよう、先生さんよう。

自傷は足を殴りつけるのはずっとしていたけど(痣だらけで紫陽花みたいよ)、
カッターを使って切ってしまうのは本当に久々。
というか、まさかまたやるとは思わなかった。
35にもなって。思春期か。
しかも血を見てものすごくホッとしてしまい、
クセにならないように気をつけねばならん。

退院は、家で一人になることが怖いのと、友達と離れるのが辛かった。
175の長身で度々私を抱きしめてくれたタキちゃん、
みんなのお母さん的存在の村田さん、
ふざけも深刻もどっちもガッチリいけた文子さん・・・
ウツや統合失調症、適応障害などを抱えながら、
みんな健気に病気と現実世界とをなんとか引き受けようとしていた。

若い女の子でソープ嬢をやっている葉月ちゃんという子は、
もう結婚してるのだが、旦那は薬の運び屋で捕まり刑務所にいるという。
ドラマ有り過ぎ、と思っていたのだが、葉月ちゃんの両親がまた
辞書で「ヤクザとその情婦」と引いたら図解で出てきそうな二人で、
葉月ちゃんの自傷の跡を見て、継母さんは「もうショックで・・・」と泣き
お父さんは「そんなことしてお前、絶対跡が残るんだからな、
子供出来たとき困るぞ、なんて言うんだ、甘えてんじゃねえぞ」
などと、こっちが口を挟みたくなるような言い方をする。
それを葉月ちゃんはウンウンとただ聞いている。
2人が帰った直後、葉月ちゃんは「はづ、あの人達大っ嫌い」と
買ってもらったジュースをドボドボ捨てながら言っていた。
お父さんにひどい言われ方してたけど、大丈夫?と聞いたら
「はづも言い返したい事いっぱいあるよ、何もわかってないって。
でもそしたら100倍になって返ってくるし、あの人すぐ殴るから」と。
若いのにものすごく我慢強くて、一番ダメージの少ない方法を見付けていたのだ。

みんなみんな、幸せになって欲しいと改めて思う。
人ってみんな健気だな、と思う。
生まれてきたから、死ぬまで生きる。
なんの為にとか、生きる理由とか、自分の価値とか、考えるのよそう。
ただ、生きるのだ。


モーリー・しい子(藻)