シモーヌ☆かく語りき
もくじ|前の日|次の日
昔は現在のように物が溢れていなくて、今よりももっと単純でシンプルだったと思うのですよ。シモーヌは最近、その単純でシンプルな、かつての人間のあるべき生活に思いを馳せることが多くなりました。 ショパンは21曲のノクターン『夜想曲』を作曲しています。そこには21種類の夜に想う曲があるわけで、そしてシモーヌの思いを馳せるヒントが沢山あり、必然的にノクターンを聴いて夜を過ごす事が多くなりました。 今となっては感じることもなくなった夜の風景を想起させます。夜の匂い、気温、風の感触、草木の葉擦れの音、月の明るさ、隣には誰がいて、なにを想うのか等々、聴く人それぞれに違う夜の風景があり、演奏者は自分の想う夜想曲を聴き手に伝わるように心をこめて演奏するのです。そういう気持ちで、3月に演奏する曲を選んだわけなのです。 うまく文章で表現できないのがもどかしいですけど、現代では過去に忘れ去られた大切なものが大きく欠けているように思えて仕方ないのです。自分ひとりの力だけではどうにもこうにもできないので、今はとりあえずノクターンを聴いて心のバランスをとって過ごしています。 ふと思ったのですが……誤解のないように書いておきますが、シモーヌは普通に元気ですのでー(笑)。
→シモーヌの心の琴線
|