シモーヌ☆かく語りき
もくじ|前の日|次の日
つい先日、ユーチューブで→こういうものを見つけました。この夏、世界的に有名なピアノコンクールで優勝して一躍有名になった辻井伸行さん(全盲のピアニスト、といえばスグにわかる方の方が多いのではないでしょうか)が作曲されたオリジナルのピアノ曲です。 初めて聴いた時は本当に衝撃的でしたよ〜。終始続くアルペジオの上に軽く旋律がのった曲は『川のささやき』どころか、その他の色んな情景まで見えてきて――豊かに水が流れるさま、水面がきらきらと光るさま、心地よい風が木々の間を吹き抜けるさま、水の匂い、土の匂い、草の匂い、そして聴く人がそれぞれに持つ幼少期の記憶をよみがえらせ、そこに確かにいた居心地の良い場所で幸せな日々を送る自分――なんというか、目が全く見えない彼は、一体どうやってそれらを感じることができたのだろうかと純粋に疑問に思いました。目が見えなくても風や匂いは感じることはできますが、光によってさまざまに変化する色や形を、どうやって感じることができたのか、どうしてそれを音楽にすることができるのか、本当に疑問です。 そして、どう考えても必ず一つの結論に到達するのです。結局のところ、彼の持つ全てのものが彼の目であり、純粋な心の持ち主であるからこそ、感じたもの全てをそのまま表現できるのだと。そして、彼は目なんか見えなくても、もしかしたら既に何でも見えてるんじゃないのかな、と思うのですよ。それらは勿論、私たちが普段目で見て確認できるものではなく、純粋な心でもって見える『特別なもの』、ということです。その普段見ることのできない『特別なもの』に触れたあとは、きっと誰もが純粋な気持ちになっているはずです。
|